電子申請-多面もいよいよ4月から

 今年も確定申告を早々に終えました。研究会で農村・農業へのICT導入を推奨している私がe-TAXごときを使えないとなると恥ずかしいし、読者の皆様への信頼が揺らぐのではないかと思い、昨年からはスマホとマイナンバーカードを使い、e-TAXでの申告を始めました。皆さんもご存知だとは思いますが、「e-TAX」とは、国税庁が運営する「国税電子申告・納税システム」の呼称でして、自宅のパソコンからインターネットを使って、確定申告などができるようになっています。事業主の方は、今更何をという感じでしょうが、サラリーマンを辞め年金生活に入った私としては、新しいデジタル暮らしのルーティンの一つとなります。

 私の分もやって欲しいと、今年は妻からも頼まれたので、まるで、税務署の相談窓口みたいに、「はいっ、給与所得の源泉徴収票を出してください。年金関係の書類は揃ってますか。それと医療関連の領収書を集めてきましたか。あっ!これ、人間ドッグの費用はダメですね」と指導しました。後は、昨年、四苦八苦してe-TAXをマスターしたので、とりあえず、その作業を思い出しながら入力をしていきましたが、今年は、医療費控除の計算も含めて、妻と私の分併せて30分程度で終わることができました。やる前は、「データ入力の委託料はしっかりもらうよ」なんて言っていましたが、あまりにも簡単すぎてもらう訳にはいかなくなりました。

 e-TAXをやる前は、毎年この時期になると、税務署が開く相談会へ足を運び、結構並んで、担当者に入力を手伝ってもらいながら作業して、半日掛かりの仕事でした。ちょうどコロナがひどかった2年前は、一人一人距離を確保して並んでいるので、パソコンのおいてある部屋まで相当長い列となっていて、最初は暖房の入っていない階段辺りに立ったりして大変だった。

 税金控除があるのでがんばってやるものの、寒い思いをして並ぶなんて本当ならやりたくないところだ。やらなきゃだめだけど。電子申請が出来ない人もいるのだし、国税庁ももう少し国民が気持ちよく税金を納められるようにして欲しいものだ。相談ロビーは美味しいお茶とケーキのサロンがあったりすると良いのにと思う。なんとなく、「税金とったドー」、「国民の義務だぞー」感が強過ぎるように思うのは私だけだろうか。

 それにしても、最近はとにかく、なんでもかんでも電子申請や申告が増えています。所得税みたいに、国がやっているならやり方も一つで、初めて使う年はたいへんでも、徐々に慣れて来るだろうが、電子申請の内容毎に入力の仕方が違っているのはとても大変だ。

 ちなみに、妻も私もお気に入りのミュージシャンのファンクラブに入っているが、ファンクラブからのチケット販売、チケット販売サイトとの連携は、とにかく全部やり方が異なるので、面倒でしかたない。特に、ファンクラブのログイン、チケット申し込みサイトのログイン、どの金融機関で支払うかの選択と、やることが多すぎて、チケットのゲットまでなかなか辿り着けない場合もあります。それでいて、抽選に外れたなんてことになると、がっくりだ。さらにもっと言うと、iphoneとAndroidのスマホでアプリの操作性が異なると、自分のiPhoneでは出来たからと言って、妻のAndroidはマルちゃん製麺のようにチャチャっとはいかない。先日も、一枚のコンサートのチケットを手に入れるのに、2時間以上奮闘して、妻はついには大魔神に変身して、「二度とお前のライブには行かん!」と怒っていました。

 農林水産省も電子申請が進んでいて、多くの申請事項が、農林水産省共通申請サービス「eMAFF」でできるようになっています。eMAFFは、ワンストップで各種手続の申請が、自宅や職場のパソコンやスマートフォンからできる上、蓄積された申請情報が自動的に申請フォームに自動転記されるなど、入力作業が楽です。経済産業省の法人共通認証基盤(gBizID)を取ったり、eMAFFプライムを取得して本人確認も必要だったりするが、一度それを乗り越えておけば、「認定農業者制度」も「農業経営改善計画認定」も「中山間地農業ルネッサンス事業の地域別農業振興計画の認定」等の行政手続きはこれで一発。そしていよいよ、令和5年4月1日からは「多面的機能支払交付金制度」のすべての手続きがeMAFFで申請できるようになります。

 まだ、具体的な操作説明画面は見られませんが、これまでの様式を添付して送る方式です。各県、各市町村がどんな体制で普及していくのかは分かりませんが、いつかは、全国のほとんどの組織が電子申請になっていくのだと思います。是非、早い内から慣れることを考えておきましょう。

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