
圧巻!ぽんしゅ館
先週、2泊3日で、新潟県長岡市、燕市、三条市、群馬県高崎市、富岡市、甘楽町と旅行してきました。長岡花火ミュージアム、燕三条地場産業振興センターや世界産業遺産の富岡製糸場、こんにゃくパークにも立ち寄りましたが、何と言っても、今回の一番の目的は、長岡駅構内の『ぽんしゅ館』で唎酒をすることでした。
かなり昔ですが、越後湯沢の駅で同系列の店を訪れたことはありましたが、長岡駅では初めてです。別のお店ですが、虎ノ門にある酒情報館も、単に酒造会館と呼ばれていた頃から何度か行ったことはありますが、今回は、長男は長岡市内で仕事をしていたこともあり、是非とも長岡駅の『ぽんしゅ館』の『唎酒番所』へ行きたいということになって、一度も行ったことのなかった妻と、最近日本酒に目覚めた次男も一緒に家族みんなでちょっと早いゴールデンウイークで、唎酒ツアーとなりました。
さっそくシステム通り、受付で一人500円を支払って、おちょことコイン5枚を貰って、整然と並んだ唎酒銘柄をじっくりと見ていく。「これ唎酒してみよっ」と思ったところで、指定されたコイン枚数を自動唎酒機に入れれば、おちょこに半分ぐらい、ちょろちょろってお酒が注がれます。1枚のものもあれば3枚必要なものもあります。10分もしない内に、縦に3段ある銘柄をまだ5列ばかり見て、3杯試したところで、もうコインがない。まだ、20列以上残っているし、唎酒のためにここに来たのに、これで終わるのはあまりにも寂しい。できることなら。全部の銘柄を見て、ある程度飲んで、これぞと思うものに出会いたいものである。そこでもう5枚となる訳ですが、只、飲んでも飲んでも、どれも『美味い』。ボキャブラリーが少なくて申し訳ない。いろんな形容詞をつけて称賛することもできなくはないが、ここはシンプルに『美味い』が最もよく合う。「これは駄目だ」っていうのが無く、一口飲むたびに、それぞれ個性が引き立っている。だからもうひと種類飲んでみるかと、なかなか終わらない。でも、この後、地酒の飲める居酒屋へ行こうと思っているのに、全部試して、ここだけで酔っぱらってしまうのも良くない。いや~、困ったものです。新潟の地酒は本当に酒飲み泣かせです。
「これも美味いなぁ」、「これも良いなぁ」って言いながら、妻と二人でおちょこを交換しながら飲んでいると、長男が受付で店員と何やら喋っていて、あれ、彼はもう終わったのか、まぁ、何回か来ているので、おおよそ分かっているのだろうと思いきや、そうじゃない。おちょこ一杯で5枚以上いる特別なお酒が受付奥の冷蔵庫に飾られていて、それを所望しているのだ。さすが経験者は楽しみ方が違う。注いでもらって、口をつけながら、にやにやしてこちらに近寄ってくるなり、「これは違うよ。5枚のやつ」。妻と私が少し口を付けてみると、なんとも言えぬフルーティーな香りが鼻を抜ける。「やっぱり、5枚だけのことはあるな」って二人で頷く。
次男は最近、日本酒に填まっているが、まだそれほど量は飲めない。だから慎重に銘柄を選択しているようです。彼は先ずは知識から入るタイプで、今回ここに来るに当たっては、かなり新潟地酒の勉強をしてきたみたいで、これは、何とかで金賞とった奴だとか、これは『おりがらみ』だとか、純米の何パーセント精米だとか、勉強したことをおさらいしながら飲んでいるみたいです。で、兄ちゃんの5枚の『萬寿鏡』の大吟醸S30越淡麗を飲んで、やっぱり頷くだけ。
酒好き一家は、これだけたくさん酒が並べられると制御が効かなくなるなぁ。「それもちょっと飲ませて」、「これも美味いから飲んでみぃ」ってやっているとあっと言う間に十数種、そして、唎酒ではなく、酔っぱらって効く酒になってしまいます。そのまま居酒屋へなだれ込みましたが、その時にはけっこう出来上がっていました。でも、またこの店でも長岡地酒15種飲み放題のコース料理を頼んだので、結局、それも全部飲んでしまいました。そして、極め付けは、次の日、高崎に泊まって、夜は居酒屋へ行ったのですが、その店にあった群馬の地酒8種類も全部を1合ずつ注文して、飲みほした次第です。
いゃ~、圧巻です、『ぽんしゅ館』。ある程度知ってはいましたが、いざ中に入ると、地酒の種類の多さに圧倒されました。新潟県内だけのはずなのに、なんでこんなにたくさん種類があるのだろうか。これだけあると、消費者の嗜好も違うので、一つ一つの生産量は少なくなってしまい、経営は大変だろうに、よくやってくれます。そして、私たち酒飲みの心をがっちりと掴んでくれます。酒米を栽培するお百姓さんと蔵元に大感謝です。
海外に輸出を伸ばそうとしている蔵元さんは、今回のトランプ関税は大きな打撃となって、たいへんだと思います。でも、高級ワインじゃないですが、この地酒の楽しみ方そのもの、希少性そのものをアピールしていけば、少々関税が高くなっても、買う人は買ってくれるんじゃないでしょうか。『伝統的酒造り』は『人類の無形文化遺産』にも登録されましたし、これからも私は応援していきたい。
『北雪純米大吟醸 光』なら、今の倍しても買いたいな。で、「好きな酒は」って聞かれると、私はやっぱり『菊水 無冠帝』。
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