年末カラオケ歌合戦

 きっと、この投稿を家族は読んでいないだろうということで、白状してしまいますが、先週の水曜日、家族に黙って、昼間に一人、家でカラオケの練習をしました。ちょっとやり過ぎたみたいで、木曜日にそれが原因で熱が出ました。風邪をひいても滅多に熱を出さない私が熱を出したので、妻が大丈夫かとだいぶ心配していましたが、カラオケが原因だとは言えず、「急に寒くなったからかなぁ?」なんて言って胡麻化しました。実際には大声を出して扁桃腺が腫れたのだと思いますが、そんな間抜けたことは口が裂けても言えません。すぐに扁桃炎の薬を飲んで、木曜日一日休んでいたら、直ぐに治って、金曜日は朝から絶好調で、今これを書いている次第です。

 昨年まではこんなことは無かったのですが、今年になって、ちょっと通常以上の無理をすると、部分的にもいろいろと支障が出てくるようになりました。持病のこともありますが、なんかかんか、だんだんとガタが来ているという事なのでしょう。自分では意識しないでいますが、部分的に老化現象が表れるみたいで、なんだか悲しくなってきます。それでも、私にとって、この時期のカラオケの練習は年末の家族カラオケ歌合戦に向けて、とても大切な時間で、どうしても家族には知られないようにして、31日を迎えたいと考えています。

 我が家の大みそかはたいへんアクティブで、NHKで紅白歌合戦をやっている時間帯は、家族4人がそれぞれ自分の得意の歌を競い合って歌います。以前は、紅白に分かれて、自動採点機能を使って勝負をしたりもしていましたが、他の3人と比べると極端に点数の低い私が入ったチームは必ず負けてしまうので、ここ数年はやらなくなって、美味しいお酒と居酒屋メニューを楽しみながら、紅白歌合戦で好きなアーティストが歌っている時はテレビを見て、どうでもいい時は、その合間に自分たちが歌うなんてことをやっています。

 今更、「若さ」を競う必要もないのですが、妻も私も、競ってお気に入りのアーティストの新曲や今年流行った曲に挑戦し、どっちが若いかを主張し合います。私なんぞは、思いがけないところで転調する曲や日本語がぶち切れた歌詞などの難しい曲について行くだけでも四苦八苦である上、もう高い声が出ない訳で、髭ダンやKingGnuは大好きで、歌いたいのに、声の高いところは、喉を詰めて歌うものだから、すぐに死にそうになります。ですから、先ずは声帯を柔らかくするために二週間ほどは練習しておかないと、年末のカラオケ大会に十分に遊べないということになります。

 そして、「パパ、結構歌えるじゃん」とか、「いつの間に覚えたの」とか言われて、父のプライドを回復し、また、妻が知らないアーティストの曲を歌って、「それって誰の曲?」と聞かれて、「ワンオクの『+Matter』だよ、知らないの」なんて言って妻にマウントを取るのです。私って、人間小さいなぁ。いゃぁ、実に小さい。

 私は、以前もこの投稿で申しましたが、本来は、昭和演歌(言わせてもらえば:「昭和演歌」2022.11.7)が大好きです。ですから、演歌嫌いの妻や息子たちに知らない曲を歌っても反応が薄いのは分かっていますが、やめときゃいいのに、『よせばいいのに』を歌い、その曲で演歌は終わりにしてねと言われながら『ハイ、それまでよ』と数曲は歌わせてもらいますが、やっぱり一発目は、無理してでも新しい曲を歌います。

 年寄りは年寄りらしくなんてまったく思っていないので、なんとか若者の曲を歌おうとしますが、今回熱を出したことを教訓とすると、衰えたところをなんとかカバーして若者に負けないようにやって見せようと無理をするのは良くないことのようにも思います。郷ひろみさんや吉川晃司さんみたいな芸能人のアンチエイジングの鍛え方は誰でもがやれることではありません。普通の年寄りにとって大切なのは、若者と同じようにできるということではなく、若者には負けないぞという気持ちであって、それに沿った鍛え方で、無理することが鍛えるということではないように思います。虚勢を張りすぎてはいけませんね。

 さて今年はそんな気持ちを持ちながら、初っ端に髭ダンの『Sharon』、『Subtitle』辺りを歌わせてもらい、その後おそらくは、妻とMrs.Green Appleの曲の取り合いをすることになるでしょう。もちろん、Creepy Nutsの舌の廻りきらない『Bling-Bang-Bang-Born』にも挑戦したいと思います。でも、おそらく声が出るのはそこまでで、中盤はサザンとB’z、後半は演歌、『宗右衛門町ブルース』とか『熱海の夜』、そして、トリはやっぱり大好きな都はるみの『大阪しぐれ』で行きますか。ここにまた、私の多様性志向が顧みられる訳です。単なるアンチエイジング欲求ではないのですと強調しておきたい。

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