
同窓会なんかこわくない
恐る恐る声をかけました。「もしかして、豊中○中の3年4組の皆さんですか」
11月2日、昭和48年中学校卒業生の同窓会が大阪市内でありました。私は今年初めての参加になります。他のメンバーは今までにも何度か同窓会をやっていたようですが、大学を卒業して以来、仕事で関東に移り住んだ私は、これまで集まりがあったことも知りませんでしたし、友達情報を手繰る努力も怠っていましたので、集まりがあるなら是非参加させてもらいたいと思ってはいましたが、その機会を掴むことができませんでした。それが今年になって、ひょんな巡り合わせで、メンバーの一人と連絡が取れるようになったことで、いよいよ同窓会に参加できることになった訳です。
待ち合わせ場所となったヒルトンホテル大阪のロビーは高級感が漂います。ロビーで頼むとコーヒー一杯1300円。ちょっと早く着いた私はくつろぎながらロビーのどこかにそれらしい集まりは無いだろうかと探しながらコーヒーを飲んでいました。
一昨年に開いた高校天文部の同窓会の時は傑作で、47年ぶりの再会だと顔が分からないだろうということで、幹事役の私が待ち合わせのお店の前に立って待つことにしました。時間になっても誰も集まらなかったので、これはもしかして、お店を間違えたのかも知れないと、店内で待つ副幹事に電話したところ、「何してんの徳さん、みんなもう集まってるよ 早よ来いや」って、どう言うことそれって。もちろん私がみんなの顔を分からずに、見過ごしたってことなのかもしれませんが、「山本がお店の前に立ってますから」って言っていたのに、山本らしき顔を探そうともせず、いや、探したが分からず、みんな素通りして店に入って行ったってことなのか。
急いで店に入ってみると、なんとみんな座ってすでに少し歓談を始めてますわな。副幹事の言うことが良い、「徳さんなんか立ってたって、誰もそりゃ気づかんわ。そんなに変わってるって思わんもん」って。これ、ひどくない。確かに、他のメンバーはなんとなくそう言えば、「あっ、○○くん」、「▽△りんやろ」って当時の呼び名が出そうな面影は残っている。それに対して、「あっ、徳さん」は「あっ、大徳さん」とか、「あっ、ぶう徳さん」って呼ばんと雰囲気が合わないほど、当時とは変わってしまったことは確かです。認めます。「不徳の致すところで・・・」じゃない。まぁ、ちょっとショックだった訳ですよ。
そして今年、今度はさらにそれより3年遡る51年ぶりの再会となる中学3年生の同窓会。今回は幹事ではなかったですが、前回の二の舞を演じないようにしようと、こちらからだいぶ先に待ち合わせ場所に貼り込んで、ロビーでコーヒーを優雅に飲む態で、実は心の中は焦り、かなり緊張して、食事会場に置いてかれないようにしようと目を凝らしていたんです。でも、直前になってもそういう集団を見つけることができない。で、今度はロビー内をうろうろしてみました。いくら私が昔の面影がまったくなかったとしても、うろうろしていたら、何となく待ち合わせ相手を見つけようとしていると感じ取られて、「あっ、徳さんか?」とか「えっ、トクジちゃうの?」って声をかけてくれるかもしれないと思ったからです。ちょっと汗をかきながら2周ほどロビーを回りましたよ。3つほど集団があって、どの集団の人ともちょっと目が合ったようにも感じましたが、でも、声はかけてくれません。そこで4人ほど集まっていた集団にこちらから声をかけてみました。そのうちの一人がなんとなく友達の面影を持っていたので、「すみません。Iさんじゃないですか?」、「いや違います」近寄ってよく見てみると、あぁ、全然違っていました。こりゃ参ったなぁ。また、一昨年みたいに「どこに居んの 早来いや」みたいになるんかなぁと焦って来たところで、今までずっとコーヒーを飲みながら、あそこにも人が集まってるなぁと確認してきた人が、なんやら幹事のHくんらしい。そこまで気づくと不思議なもので、現在のその姿から、トントントンと段階的に中学生の時の顔と姿がフラッシュバックして、間違いないだろうと確信するのに約1秒、恐る恐る近づいて、文頭のセリフとなる訳です。
ただそれでも、幹事も、集まっている同級生の皆さんも、まだきょとんとしています。「山本です」って言葉が出てからも、ちょっと間があったような。なんだか反応は悪かったような気がします。一人二人と、頭の上に電球が”ピカッ”と光ると、遅れながら”チカチカ”始まり、おそらく全員の電球が点くまでには10秒は必要だった感じかな。でもよかった、最後はみんな全員が、これがあの細くて小さくて可愛かった山本徳司くんだと認識してくれたようです。最後まで、「こいつは違う」。これは新手の同窓会詐欺だと疑う人はいなかったので、とても嬉しかったです。まぁ、逢った瞬間に懐かしさが爆発するんじゃなくて、波のように押しては返す懐かしさもこれまた感慨深いものがありますね。
それから先は、中学生の時の皆に戻るのに時間は要りません。あの頃と同じように食っちゃぺって、それぞれの思い出をよみがえらせました。そして、この歳になると、みんな元気で逢えることに歓喜しました。青春の心に潜む若さって言う狼はそのまま生かしておいて良さそうですね、老後に全部食えちゃうから。
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