
血液検査
前立腺がんになってから、マーカー値や血糖値も気を付けないといけないし、肝機能や骨粗しょう症にも対応しないといけないため、毎月2回程度はどこかの病院でなんらかの血液検査をしています。もう8年目に入りましたから、病院へ行くのは慣れてはいるのですが、私の場合、ちょっとたいへんなのが、血液検査のための採血です。8年前はそんなことはありませんでした。左腕であろうが、右腕であろうが、さっと出して、こぶしを握って、ゴムバンドすれば、ちょっと指先で注射針を刺すあたりをゆっくりと一回さすっただけで、検査技師や看護師さんたちは次の瞬間には、「ちょっとチクッとしますよ」と言うと同時に、静脈を狙いプスッと注射針を刺すと、血はピュッと試験管内に飛び出して行った。それが、ここ1、2年は、なんだかすごく調子が悪い。看護師さんが静脈の位置を見定められないことが多いのです。先日の検査の折は、特に最悪でした。最初に男の看護師さんが来て、ちゃっちゃっと手際よく準備していたので、今回は当たりかな、一回の注射で済むかななんて思っていたら、「あれっ」出ない。一旦針を引いて、その周辺を弄って、「痛くありませんか」と聞く。こちらも「下手くそ!」って罵って、気分を害されて更に痛くされると嫌なので、心の中は引きつってはいましたが、笑顔で、「いゃ、大丈夫ですよ」、看護師さんは、こちらが笑顔で返したことで安心したのか、調子に乗って、一旦針を抜いて、絆創膏を張って、またその近くに続けて針を刺す。
「いゃー、済みませんねぇ。私どうも血管が出にくい体質みたいで」
「すみません。もう一回挑戦していいですか」
採血は“挑戦”なのか?。「直ぐ交代しろ、チェンジ、チェンジ」と、安いキャバクラじゃあるまいし、モンスターペイシェントにはなりたくないし、彼のプライドを傷つけたくないし、こちらも命に関わることでもないので、ぐっと堪える。そして、終いには、なんだか仲良しみたいになって、
「いつものことですから、気にしないで、先日なんか4つ穴空きましたから」
「そうですか、最近寒いから血管が収縮してしまっているんでしょうねぇ」
「寒い日が続きますね。嫌ですね。青森なんか雪がたいへんで・・・」なんて、お年寄の待合室の世間話みたいになってしまっている。
結局、彼の方からリタイアを申し出て来て、「ちょっと上手い人と代わりますね。その間、暖めておいてください」って、ホッカイロを腕に載せて、恥ずかしさをひた隠すようにどこかへ消えてしまった。
次に来た年季の入った女性の看護師も、最初は腕をさすったり、ホッカイロをあてたりして、血管の位置を見つけるのに苦労はしていましたが、そのうち、ちょっと頷くと、「アルコールは大丈夫ですか」と聞いた後、素早くアルコール消毒をして、目的の血管を目掛けて針を刺して、なんとか、この日は3つめの穴で採血は終わりました。
血管が出にくい私の体質が悪いのか、それとも、看護師や検査技師の腕が悪いのかよく分からないが、隣の検査ブースの席なんか、私の採取でもたついている間に、患者さんは3人入れ替わったことを考えると、私の体質がそういう体質なのでしかたないということなのかも知れない。
昔、あるミステリー小説で、血を徐々に抜いていく殺人鬼のシーンがあった。椅子に縛られ捕らわれの女性の腕に何本かのチューブが刺さっていて、その先は大きなペットボトルに繋がり、チューブの先から血がポテ、ポテと落ちていく。ぐったりしている彼女の横で、犯人が優しく解説をする。「ハッハッハッ、○○くん(探偵の名前)、今、彼女からは血が抜き取られている。ご存知のように人の身体から三分の一の血が無くなると人は死ぬ。2.5リットルを越えたら彼女の命は亡くなるだろう。その前に君は彼女を探し出せるかな○○くん。期待しているよ。ハッ!ハッ!ハッ!」往々にして、小説の中の殺人鬼の物言いは冗長で、『池上彰』のようです。
誰のどの小説かは分からないですが、その光景を頭に思い浮かべた時、いゃ、私の血を抜くのは結構大変だぞ。一度、看護師さんに、あなたの血管は細いですと言われたこともあったし、浅い所にないので、見つけるのも大変だし、こりゃ、私が犠牲者だったら、犯人がプロの技術検査師でもない限り、結構苦労して、もう面倒臭いからやめようって思うのではないだろうか。 血液検査の技術も進んではいるんだろうけれど、未だに複数の検査毎に何本もの試験管に採取して検査して、たいへんだ。血糖値の検査みたいに、ちょっと指に針刺して、血を取って検査できるようにならないものだろうか。できるなら、非接触でなんでも測れるようにならないものだろうか。毎月、病院へ行くのも億劫になってきたのに、血液検査に時間がかかるのは閉口してしまいます。
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