爆裂忠臣蔵

 最近はずっと遊びの話題しかありませんが、また今回も遊びの話でごめんなさい。

 一昨日の土曜日、東京の新橋演舞場でやっている劇団☆新感線の『爆裂忠臣蔵』を観に行ってきました。いつもの年だと、11月、12月は歌舞伎を観に行くことが多いのですが、今年は、演目の趣味と押し役者が合わず、歌舞伎の代わりに『いのうえ歌舞伎』(いのうえひでのり)にしました。妻が2022年に『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』を観に行ったときに、新感線の演出と天海祐希さんの演技に惚れこんで、ずっと新感線の観劇に一緒に行こうと言っていましたが、なかなか席が予約できませんでした。ようやく3年越しで取れたので、夫婦揃っての観劇となりました。今回の主役は、天海さんではなく小池栄子さんでしたが、休憩も入れて、約4時間たっぷりと劇の世界に入り込んできました。私の歌舞伎以外の観劇は、3月の市川團十郎の『SEIMEI』以来久しぶりでした。その後の体調の変化もあったりして、この4時間の長丁場ずっと座っていられるだろうか、トイレは大丈夫だろうかと心配しておりましたが、そんな心配はふっとんでしまう程の怒涛の押しまくりの演出で、30分幕間の弁当を食べた後の後半の100分なんかあっという間に最後の盛り上がりに突入してしまい、気が付いたらもう終わっていたって感じでした。妻も、長く座っていると背中が痛いと言いながらも、最後まで席を立つこともなく、どっぷりでした。

 私は関西人なので、劇と言えば、若い頃に観た藤山寛美の松竹新喜劇が土台となっています。宝塚のスタイリッシュできらびやかな劇もありますが、涙あり、笑いあり、ボケありの世界観が基本で、大阪芸大を発祥とする劇団☆新感線は、私の嗜好に合って、ちょうどいい感じなのかもしれません。特に、ちょっと間の空いたボケやこれでもかと畳みかけるボケの使い分けは堪りませんなぁ。

 最近では、関東も関西の笑いをふんだんに使うので、どこが関西なのかと言われると区別はつかないですが、ポケのツッコミ間合いやノリツッコミはやっぱり関西が一つ上手かなと思います。実際に、関西人のほとんどはノリツッコミに対応できるみたいで、道頓堀の戎橋辺りで、「○○テレビですが、○○についてどう思いますか」とインタビューしながらマイクの代わりに柄付きタワシを渡すと、9割以上の人がタワシを手に取って、「そうやね、・・・・・」としばらく話してから、「これタワシやんか」とか「なんでタワシやねん」と応えるそうですよ。

 ちょっと話が脱線しましたが、まぁ、『爆裂忠臣蔵』、久しぶりに楽しいお芝居でした。そうそう、『お芝居』というと、実は、この劇を見て初めて知ったこと、初めてそういうことかと納得したことなんですが、こんなことも知らずに今まで生きて来たのかと、チコちゃんに「ボーと生きてんじゃねぇーよ」って怒られそうですが、昔は、観客は芝生に座って劇を鑑賞していたことから、見物席や観客を指して「芝居」と呼んでいたらしいですね。恥ずかしながら初めて知ったというか、初めて字を意識しました。劇後半、この言葉が重要な要素になります。これ以上言うとネタバレになるので、やめときましょう。

 新橋演舞場では12月26日までやっているみたいですよ。チケットが取れるかどうか分かりませんが。ドタバタのお芝居好きな人にはお薦めです。小池栄子さんが声張り上げて、舞台狭しと走り回りドタバタするところに、男前二人、早乙女太一さんの格好良すぎる剣舞と、一歩引いたところで淡々と話を前に進める向井理さん、ちゃちゃを入れる橋本じゅんさんに高田聖子さんらの看板役者、要所だけ締めて後は脱力の古田新さん。魅力たっぷりです。一日二回公演の日もあるというから大したものです。役者の皆さん、是非最後までがんばって走り切ってください。

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