女性蔑視は心根が問題

 いや~、森会長発言、酷いものですね。JOC会長の話だ。2月3日に、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で女性を蔑視した発言をした件です。

 彼はその日、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言し、さらにその理由を、「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困ると言っておられた。だれが言ったとは言わないが」と言い放った。最後の方は、人が言っているみたいな感じにして、少し責任逃れまで入れて語ったみたいです。

 もうこの発言一つで、男女共同参画社会に向けて進む日本の姿勢からも外れているし、国連の発表している「持続可能な開発のための2030アジェンダ」SDGsの5つめの項目にある「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」からも逸脱していますし、十分アウトで、ご退場いただいても良いのではないかと思います。(SDGs:エス・デー・ジーズについては、ご存知の方も多いとは思いますが、また今度お話します。知らない方は、今は、世界が持続的に発展していくために2016年から2030年の15年間で達成しようと掲げた目標とだけ覚えていてください。)

 ニュースの街頭インタビューで、ある女性が、「そういう考えを持っている人は、今でも男性の中にはいるだろうけど、あの立場の方が、あんなところで口にするのはいかがなものなのか。言わなきゃいいのに」と言っていました。そりゃそうです。考えてみれば、オリンピック憲章違反でもあり、そんな人がJOCの会長というのは、日本として恥ずかしくないのか。大体あの方は、10年くらい前にも、少子化のことで、「子どもを一人もつくらない女性が、自由を謳歌して楽しんで、年取って税金で面倒見なさいちゅうのは、本当はおかしい」と発言した張本人で、女性の見方、いや、人権そのものに対して、間違った姿勢でいるのだろう。「老害」なんて人は言うが、年寄だからって片付けられそうにない。

 長い年月、全国で農村づくりを支援してきましたが、この森さんが言っているような発言をする人に出会うことは時々あります。昔はかなり多かったように思います。最近は少なくなったものの、完全に駆逐されたかというとそうではなく、こういう意識を持った方は、結構根強く残っているように思います。

「女がいると、集落の取り決めがなかなか決まらんから、役員にはしない」

 そんな人に限って、夜の飲み会では、お母さん方に食べること全部準備させて、「おい、そろそろビール運んで」と偉そうに、お母さん方に指示していたりする。また、「農村では女性の活躍は大切だ」、「女性をもっと農村づくりに活かさないと」なんて言っている方でも、「女性ばっかり増えてもなぁ。女性が活躍できるところだけ、それだけやってもらえば十分では」と、なんとなく、女性の社会進出に消極的で、差別感が見え隠れする場合があります。

 農業委員の女性の参画も、最近になってようやく10%を超えましたが、平成2年に初めて一人登用されてからの割合の増え方が遅すぎないだろうか。もう30年以上経過するのに、ようやく10%とはどういうことなのか。前々回の「農村と都市の結束」で言わせてもらったように、女性差別が文化的次元まで侵食していて、意識そのものが変らないから、いくら政府が女性参画の促進の旗を振っても、これほどまでに時間がかかってしまうということなのだろうか。

 一つ思いだしました。私は、若いころ、農村に住んだことがあります。どこの話とは言いづらいので、場所は伏せさせてもらいますが、まだ子供が小さくて、夫婦も三十代前半の頃、四年ほど、総戸数50戸ばかりの小さな古い集落で暮らしました。その1年目の自治会の総会があった時の話です。私が仕事で出席できず、家内が一人で出席することになりました。それまでの小さな会合には私が出ていたのですが、家内は初めての出席となりました。勝手が分からず、集会所に入り、彼女は最前列の席に座ったそうです。すると、前に座っていた歳いった役員さんの一人が近寄ってきて、「女は後ろ!後ろ!」と言ったそうです。家内は意味がよく分からず、「ここ駄目なんですか」って聞いたらしいのですが、「女が出しゃばらんで良い!」(本当は方言で言いましたが、それを書くと、地域が絞られてしまうので、標準語にしました)と言われて、袖掴まれて、強制的に後ろの方の、女性が固まって座っているところに連れて行かれたというのです。座るや否や、今度は隣に座っていた地元の若い女性に、「女は後ろと決まっているんよ」とバカ扱いされたみたいです。

 帰ってきて、「新住民だって、ここに住んだんだから、何かお役に立てることはないかって思って、積極的にいったのに、どうして、女は後ろなの」と、泣いていました。

 今は、そんな農村はもう無いと思っていますが、「女はダメ」という認識の方が減ったのではなく、社会の風潮からして言わなくなっただけで、おそらく根には残っているのかもしれません。

 皆さん、知ってますか。私も普通に使っていますが、「家内」、「女史」、「女医」は性差別用語なんですよ。「女のくせに」、「女らしい」なんていうのも、本当は使っちゃだめなんですよ。話す言葉が無くなるじゃないかと言いたくなってしまいますが、気を付けなければなりません。

 でも、よく考えてみると、本当は、言葉の問題ではないですよね。意識の問題であって、「家内」と言ったから女性を蔑視している訳ではない。発した言葉だけに責任を取らせているようだと、中身変わらずじまいにならないだろうかと、逆に心配になってきます。

 森会長も、「男も女もそうだけれど、会議で”わきまえない”のは良くない」と言えば許されたのかということになってしまわないだろうか。排除すべきは、根にある性差別なり、女性蔑視なのではないのだろうか。

 心の根にあるかないかは、聞いていれば分かる。家内が、私に「おやじ臭が臭い」と言っても、私は「すんません。歳行ったもので」と決して、家内に対して、『男性差別』だと捲し立てはしない。家内も『家内』と言われても、決して気にしていない。「退職して、洗濯しているのも、ご飯作っているのもあなただから、あなたが『家内』じゃないの」と言い返された。

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