M1より面白い国会

 退職して2年半、病気で体力も免疫機能も落ちているので、新型コロナはかなり怖い。最近は、食事の買い物以外はほとんど外に出なくなり、そのせいで、足腰が相当弱っているのだろうか、先日、家の前で激しく転倒しました。躓く原因もなく、ただ、足がもつれ転倒したみたいで、右頬骨と右胸を激しく地面にぶつけて、手と膝を擦りむきました。

 その時は、息ができないほどの激しい痛みがありましたが、まあ大丈夫だろうと、3日ほど放置していました。それでも、胸の痛みが治まらず、睡眠もまともにできなかったので、病院でレントゲン等の検査をしてもらいました。幸い、肋骨にヒビは見つからず、血栓もなく、単なる打撲で済みましたが、医者にはこっぴどく怒られました。私は、リュープリンと抗男性ホルモン剤によるがん治療をしているのですが、その副作用として骨密度が低下していて、関節にもある程度の機能低下が出ているらしい。「絶対、転倒しないように」と釘を刺された。更に、「足の骨でも折れると、いきなり生活レベルが低下して、歩けなくなりますよ」と脅された。

 転倒しないようにと言われても困ったものだ、転倒しようとして転倒している訳ではないので。躓く要因はないかと注意しながら、狂言さながら「そろり、そろり」とすり足で歩くしかない。

 と言うことで、先週は、仕事はそこそこにして、ソファに横たわり、痛む胸を抑えながら朝から国会中継を見ていました。

 国会中継は以前からも良く見ていましたが、最近の中継は、M1グランプリ(漫才王者決定戦)よりも面白いときがある。お笑い芸人第七世代の笑いには付いて行けず、なかなか笑えないのだが、国会答弁の方は、大笑いはできないが、冷失笑(造語:冷ややかで吹き出す笑い)はできる。今、笑い過ぎると胸が痛いので、丁度いい笑いを提供してくれる。

 特に、3月16日の衆議院予算委員会の総務省幹部の接待問題の追及は傑作だった。

 谷脇総務審議官が3月31日の定年前に自主退職したことに対して、立憲民主党の後藤氏は「これ、今日辞めたら、国会に呼べなくなるんですか。これ口封じじゃないんですか。なんで退職を認めたんですか」と質問すると、武田総務大臣は、懲戒処分から退職に至るまでの経緯を説明した後、総務大臣としての詫びを入れて、「今後も正確に徹底的に真相究明を行うとともに、再発防止を徹底して、行政に対する国民の信頼を取り戻すため、先頭に立って全力で取り組んでまいります」と答えた。

後藤氏「辞職しちゃったら国会呼べないじゃないですか。・・・なんで辞職認めたんですか。口封じじゃないですか大臣」
武田氏「勝手に決めつけられるのは困るんですけど、国会でのご審議に対しては、国会でお決めになることに従い、誠実に対応して参りたい」
後藤氏「谷脇さんは今日から民間人。民間人は国会がいくら呼ぼうが、拒否権がある。隠蔽(いんぺい)じゃないですか」
武田氏「国会でのご審議に対しては、国会でお決めになることに従い、誠実に対応して参りたい」

 そうか、この繰り返しはギャグなんだな。そして、平行線。

 その後の、東北新社側が当時の総務省の鈴木総務課長に「外資規制違反状態の報告をした」との発言に対しての鈴木氏の「記憶にない」一点張りの質疑も実に面白い。

後藤氏「2017年8月9日頃、東北新社の木田由紀夫氏に会ってますか」
鈴木氏「2017年8月頃に木田氏と会ったかどうかについては、当時は、情報流通行政局総務課長に移動した直後でございまして、多くの方々がご挨拶に来られていたので、木田氏もご挨拶に来られていたのかもしれませんが、外資規制違反のような重要な話を聞いていたら覚えているはずでありまして、そのような報告を受けたという事実の記憶はまったくございません」
後藤氏「話した内容は一切聞いてません。会ったか会ってないかについて記憶を辿ってください。会ってますか」
鈴木「そういった報告を受けるといった趣旨で会った記憶はございません。ただ、ご挨拶には当時色々な方が来られておりまして、4年前でありますので、誰がその時ご挨拶に来られたかは事細かな記憶がございません」

 その後、掛け合い漫才。後藤氏は終いには、一方的に総務省が隠ぺいしていて、総務大臣がそれを抑え込んでいるみたいな発言をし、「嘘つきだらけだ」と怒り心頭。東北新社の中島社長も、法律違反の可能性の案件について、総務省に報告に行ったと言うのに、「文章は取り交わしていない。口頭で全部話したと聞いている」と言う始末。こんな重要なことを文書でやり取りしていないこと自体がおかしいし、もし本当にそうなら、初めから残らないようにしたとしか思えない。

 また、違反の打開策として子会社への承継の承認決済に鈴木総務課長の押印があることを指して、後藤氏が「子会社への承継認可の決済はしたのか」と鈴木氏を問い詰めると、鈴木氏は「決済文章に従って決裁しているということであります」と述べ、更に「外資比率について確認したのか」との更問には、「先ほど、当時、情報流通行政局総務課長としての自分の決済について申し上げました。当時の情報流通行政局全体については、ちょっと私自身は確認しておりませんので、情報流通行政局からお答えさせていただければ」と、ツッコミをかわした。その後も、鈴木部長は攻めに攻められても、その後の質問者も含めて、十数回の「記憶にございません」が連発された。

 鈴木部長の席から答弁席までは遠く、一回足を運ぶのに12歩。全部数えた訳ではないが、おそらくこの日、ここだけで往復三百歩ほど歩いたことになる。今日質問がたくさん来ることが分かっているのだから、部長レベルであっても、もっと近くに座っていて良いのではないのか。どうして、誰もいない端っこの方まで一回一回戻るのか。そして、ようやく遠くから答弁席までお見えになって答える内容は「記憶にございません」。これを面白いと言わずして何というのだろうか。

 三谷幸喜監督の「記憶にございません」という映画があります。あれは、総理大臣役の中井貴一さんが演説中に投げられた石に当たり、本当に記憶喪失になったのですが、都合の悪いことは「記憶にございません」とシラを切る悪い総理大臣だったのだが、本当に記憶が無くなった後の方が、真摯に政治に向き合っている良い総理大臣だというドタバタ劇だ。

 記憶が無いなら、記憶を辿るのではなく、記憶のことは一旦忘れて、最初から真摯に事実に向き合った方が良くないか。

 ここはやっぱり質問者も、「記憶にございません」と答えられたら、「じゃあ、イイデスゥ!」と返さないと。いゃ、ちょっと、不謹慎過ぎましたか。「控えさせていただきます」

※東北新社の中島社長はオダギリジョーの出る「エアペイ」CM作品を手掛けたらしい。「カード使えますか」「うち、現金だけなんです」「じゃあ、イイデスゥ!」って奴ね。

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