
ゼロはじ 「第15回 倉庫にある荷物は簡単に移動・増殖できる」
表題にある「倉庫」とはフォルダーで、「荷物」とはファイルのことを意味します。よって、今回の表題は「フォルダーの中のファイルを移動したり、コピーしたりする方法」ということになります。
先ず、ファイルの管理に当たってやるべき最初の行為は、前回の2でお示しした「エクスプローラー」を立ち上げることです。タスクバーやディスクトップにすでにアイコンがセットされているとは思いますが、無い方はどうしたら良いと思いますか。ここまでだいぶいろいろなことを習得してきて、よく分からなくなってきているかもしれませんが、こういう時は基本に戻ってください。とにかく、何かの作業をしたい時は、メインメニューを開けることです。そして、今回は「エクスプローラー」の起動ですので、Windows10のシステムツールですので、「w」の「Windowsシステムツール」の中から起動します。Windows10のシステムツールだということを忘れた時は、タスクバーのメインメニューの隣の検索バーに「エクスプローラー」と文字を入れて「enter(エンター)キー」を押しても起動します。前回の2の図14-4のようなウインドウが開けば、いよいよファイル管理の始まりです。
4.フォルダーの作成と削除
4.1.フォルダーの作成
ここでは、OS(C:)の中にもう一つフォルダーを作成してみます。図15-1は私のPCの現在の状態です。前回の図14-7で説明したように、この例では、すでに、「画像フォルダー」、「楽ちん多面」、「研究会業務」・・・のように、私が自分で作ったフォルダーがありますが、ここに、もう一つ「旅行写真」というフォルダーを作ってみます。
二つ方法があります。一つ目は、操作ボタンの機能を使う方法です。もう一つは、マウスの操作だけで操作する方法です。
①操作ボタンを使う タブを「ホーム」にして、操作ボタン内の「新しいフォルダー」を左クリックしてください。 ②マウスだけで操作 マウスを操作して、赤枠で示したように、メインウインドウの中に矢印のカーソルを置いてください。 次に、マウスの右をクリックして「新規作成」を選択してください。

ここまでができると、図15-2の左図のように、メインウインドウに「新しいフォルダー」というフォルダーが表示されますので、名前をキーボードで打ってください。ここでは「旅行写真」とすると、右図となります。

4.2.フォルダーの名前変更と削除
フォルダーは無制限に作れますので、知らず知らずに増えていきます。計画なしに、その時任せで名前を適当に決めて作ったりすると、作った理由を覚えられなくなって、しばらくパソコンを使わずに、久しぶりにフォルダーを見た時に、「このフォルダーなんだっけ」というようなことが起こります。時が経っても名前を見ただけで、どういうファイルが整理されているのかが分かるようにしておくことが重要です。それでも、どうしても、その時は重要だと思って作ったフォルダーが、今になってみれば別の名前の方が良かったり、もう必要ない場合も出てきます。それが名前の変更と削除です。
先ず名前の変え方ですが、図15-3のように、3つの方法があります。
①操作ボタンを使う 最も簡単なのは、変えたい名前のフォルダーをマウスで選択して、「ホーム」タブの操作ボタンの真ん中あた り、「名前の変更」を左クリックして、名前を打ち直してください。 ②マウスの左シングルクリック 変えたい名前のフォルダー上にカーソルを移動させ、選択し、マウスの左を一回(シングル)クリックして、名前 の打ち直しをしてください。 ③マウスの右シングルクリック 変えたい名前のフォルダー上にカーソルを移動させ、選択し、マウスの右を一回(シングル)クリックすると、サ ブメニューが出ますので、その中から、「名前の変更」を左シングルクリックして、名前の打ち直しをしてくだ さい。
いずれも、図15-3の下の図のように「旅行写真」という文字が青くなりますので、例えば「旅行写真集」と変えてみましょう。名前の変え方は①~③のどれか一つ覚えておけば良いでしょう。 次に、フォルダーの削除ですが、「削除」することはとても簡単です。重要なのは、フォルダーの中にあるファイルもすべて削除されるということです。大切なものは残っていませんか。再度フォルダーの中を確認してから、削除命令を出してください。他のやり方もありますが、説明を省きます。


5.ファイル・フォルダーのコピーと移動と削除
倉庫と荷物で考えてください。倉庫の中にある荷物を引き出して使うのが「作業」ということになります。文章という荷物もあれば、写真という荷物もあります。これらの荷物を倉庫から出してきては、アプリで操作しますが、これらの荷物を使っている内に、引き出した元の倉庫よりも、別の名前の倉庫に入れておいた方が使いやすいという場合も出てきます。また、絶対に無くしてはいけないとても大切な荷物があった場合、その荷物と同じものをもう一つ作って、別のフォルダーに保管しておけば、もし作業中の荷物を誤って削除してしまっても、再度、別の倉庫から、無くす前の荷物を取り出すことで、作業は前の状態から始められるので、損失が少なくて済みます。もちろん、一つの荷物だけでなく、倉庫全体をもう一つ作ったり、別のところに別の名前で置いておくことができれば、とても便利です。ここでは、その方法について習得しましょう。ファイルとフォルダーの取扱いの基本は同じですが、ここでは、ファイルを対象に、コピーと移動と削除について説明します。
ファイルコピーで比較的多いケースは、デジカメなどで撮影してきた写真ファイルを一気に、パソコンへコピーする場合です。「取り込む」や「インポート(転送)する」なんて言い方もします。
ここでは例として、デジカメで撮った写真ファイルデータがUSBの「山形県平成21.09」というフォルダー名で整理されているものを、OS(C:)の「旅行写真集」のフォルダー下の「東北」フォルダーの下の「2009」フォルダーに代表的なものだけ10枚選択してコピーすることにします。年次や地域フォルダーは面倒ですが、4.1の方法で作っておきます。コピーと移動の違いは、コピーは元の記憶媒体にデータが残りますが、移動はファイルが移動して、後にはそのファイルは残りません。
5.1.ファイルのコピー
図15-5のように、コピーしたい写真ファイルにカーソルをおいて、ctrlキーを押しながら、左クリックをすると、写真が選択されます。続けて、ctrlキーを押しながら次々と写真を選択します。一度でもctrlキーから指を放すと、前に選択した写真は対象から外れます。

対象となる写真が選択出来たら、図15-6の左図ように、写真の上で右クリックすると、サブメニューが表示されますので、ここで、「コピー」を選択します。次は、何処にコピーさせるかを決めます。エクスプローラーからOS(C:)の「旅行写真集」のフォルダー下の「東北」フォルダーの下の「2009」フォルダーを開きます。何も写真ファイルは入っていませんので、ここで、メインウインドウの中で、右クリックすると、図15-6右図のように、サブメニューが表示されますので、ここで、「貼り付け」を選択します。そうすると、図15-7の画面となり、写真がすべてコピーされます。


5.2.ファイルの移動
ファイルの移動も、5.1のコピーと操作方法は変わりません。違うのは、図15-8にあるように、移動元で移動させたいファイルを選択した後、サブメニューで「コピー」ではなく「切り取り」を選択してください。他の作業はすべてコピーの時と同じです。但し、前にも言いましたが、移動した場合は、元のファイルは無くなりますので、気を付けてください。ゼロ初心者は、どんな場合でも、「コピー」にした方が無難かもしれません。

5.3.ファイルの削除
写真をコピーしてみたけれど、やっぱりこのファイルは必要ないということも良くあります。今度は、ファイルを削除してみましょう。
例えば、OS(C:)の「旅行写真集」のフォルダー下の「東北」フォルダーの下の「2009」フォルダーに、図15-7のように10枚の写真が保管されていますが、よく見てみると、P1010411とP1010415の2枚は山形県の写真ではなくて、鹿児島県で撮影したものが混ざっていたとします。この2枚を削除しても、元のUSBには全データが残っているので、コピーした先の2枚の写真ファイルデータは削除しても問題ありません。削除してみましょう。図15-9の左図のように、先ず、写真ファイルデータ2枚を選択します。削除の方法は2つ説明します。①マウスを使う方法としては、選択した写真の上で、マウスの右クリックをして、サブメニューを表示して、「削除」を左クリックしましょう。②操作ボタンを使う方法としては、タブは「ホーム」にして、操作ボタンの中で「削除×」を左クリックしましょう。右図のように、2枚の写真は削除されます。

6.ゴミ箱の使い方
ここまで、ファイルは削除すると失われると説明してきましたが、Windows(ウインドウズ)10は良くできています。実は、誤って削除してしまった可能性もあると見て、残してくれているのです。それがゴミ箱です。このごみ箱はとても大きいので、倉庫であるフォルダーも荷物であるファイルも、なんでも入ります。5.3で削除された2枚の写真も、ゴミ箱に残されています。さて、そのごみ箱はどこにあるのでしょうか。それは、ディスプレイ画面です。
図15-10のように、ごみ箱を左ダブルクリックすると、エクスプローラーの画面になります。さきほど削除したP1010411とP1010415の2枚の写真ファイルが入っていますね。完全に削除されず、ここに残っていました。再度P1010411元に戻したいなら、①のように、ファイルを選択した(青く変わる)後、右クリックでサブメニューを表示し、「元に戻す」を左クリックしてください。「東北」「2009」のフォルダーに戻ります。次に、ごみ箱の中にあるフォルダーやファイルが多くなってきて、もう完全に必要ない場合は、②のように、タブの「ごみ箱ツール」で「ごみ箱を空にする」を左クリックします。ごみ箱は完全に空になります。こうなると、もう元には戻りません。ゼロ初心者の方は、ごみ箱の中を空っぽにするのはなるべくやめましょう。あまりに多くなった時に、古いものを少し消してもいいかぐらいに考えておきましょう。

以上、ファイル管理の基本をお教えしましたが、ファイル管理はとても大事な操作になりますので、講座の33回が終了するまでに、もう一回、復習も兼ねて、少し複雑なことをやってみることにして、今回はここまでとしましょう。

※今回は第十六番札所、あの有名な音羽山清水寺です。これはかなり古く、約30年前の写真です。最近平成・令和の大改修が終わりまして、今は綺麗になっています。思い切って大きな決断をすることを「清水の舞台から飛び降りる」と言いますが、この講座は、なんとか農村のICTリテラシーを向上させようと、たいへんな作業になることは分かっていながらも、それぐらいの気持ちで始めたのですが、やっぱり読者少ないです。でもがんばります。

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