高齢化に対応した環境整備(1)

※この講座は、様々な専門書を元に構成していますので、施設・環境整備に関わりのない方には難解かもしれませんが、基本は、高齢者にとって、環境整備はどうあるべきなのかについてまとめていますので、是非、ご一読ください。

1.はじめに

 少子高齢化社会の到来に向けて、近い将来、農村地域の環境は大きく変化し、居住する住民の価値観やライフスタイルも大きく変化してくる。特に、中山間地域などでは極端に過疎化・高齢化が進行していることから、農地の荒廃は急激に進み、基盤施設等の維持管理も困難となり、老朽化も進むことから、社会生活の原点としての地域(集落)環境の存続が危ぶまれる。

 こうした危機感から、21世紀に向けた新たなる方策として、農業経営体の強化ときめ細かな生産展開を図り、それを支える地域組織の弱体化を食い止め、更に、地域の社会生活の維持・存続に向けて農村への新規居住を促し、その手段としての都市•農村交流の多様な展開を図ると言った、産業政策、地域政策一体となった農村振興の展開が目論まれている。

 こうした施策の展開は 、 農村地域に居住する住民にとっては 、 極めて緊急性の高い問題であるが、 非常に広 範囲の問題が複雑に絡まっており、早急な整備対策が求められてはいるものの、これぞという決め手がないのも実状である。

 統計数値として、農地の集積率の向上、海外輸出額の増大、インバウンドの拡大など、それなりに成果が上がっているとは言え、農村全体でみると、なかなか地域存続を安心させてくれるような数値には至らない。

 しかし、これまで営々として培ってきた現在の地域を維持し、今後とも豊かな地域性を有効に活用した生 活を送るためには、最低限、農村居住地の整備に対しての不断の努力が不可欠であり、できるところから少しずつでもレベルの高い居住地の環境整備を進め、存続して住めるような、いや存続して住みたくなるような計画を行わなければならない。

 特に、農村ならではの豊かな自然と景観、深い歴史を活かした地域形成、毎年想定外の災害をもたらすスーパー台風と極端現象への対応とともに、いつやってくるかわからない大規模地震への備えのできた地域形成が大きな整備計画の方向となるが、もう一つ忘れてはならないのが、高齢化や生活弱者に対応したバリアフリーな生活スタイルを実現した地域形成である。

 一般論としての地域居住環境の整備・計画を策定するに際、最も重要なことは「居住者の意向を如何にして、環境に反映させるか」にあるが、特に農村居住地の整備に当たっては、他に地域に比して高齢化率が高く、今後ともその傾向は世界に類を見ないほどの速度で進んでいることを念頭におかねばならないだろう。

 そこで、これから何回かに分けて、「高齢化に対応した居住地の環境整備技術」について特集講座を組むことにする。 まずは、高齢者に対応した環境整備の必要性とこの講座での検討対象の分解について触れ、次に、基礎的な情報となるが、加齢プロセスとそれによって生ずる障害について触れ、これらの分析を元に、高齢者の施設・環境整備ニーズと整備方向検討の基本的視点を踏まえ、高齢化社会における集落レベルでの環境整備方向を展望する(ここで言う集落レベルとは、集落空間を対象としていることを示しています)。居住環境を扱う場合は、本来は生活周りとしての宅地・住宅の環境整備も対象となるが、この講座では、集落環境での整備要件を整理することにします。

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