
KingGnu
退職してから、老後の楽しみとして、推しのアーティストのライブやフェスに行きまくっています。現役時代はまったく行けなかったので、その反動みたいです。推しはたくさんいますが、ファンクラブに入って、ここ数年、追いかけているのは5つほどになります。そのうち、3年ぐらい前から力を入れて推しているはKingGnu(キングヌ―)ですね。ご存知の方もたくさんいるとは思いますが、ちょっと紹介させて頂きますと、常田大希さん、勢喜遊さん、新井和輝さん、井口理さんの4人によるオルタナティブかつポップなサウンドを追求したバンドです。ヒット曲は数々ありますが、特に、私は『白日』、『一途』、『逆夢』、『飛行艇』、『雨燦々』なんかのメジャーなところが好きですね。常田さんの芸術性の高いギターと高音の透明感が魅力の井口さんのボーカルは最近のバンドの中でも一線を画していると思います。
そのKingGnuのファンクラブ限定のライブが、この3月末に東京ガーデンシアターでありまして、チケットが当たりましたので、一人で行ってきました。妻も行きたかったらしいのですが、仕事があって行けなかったので、今回は一人でした。怪我をした右腕は完全には動かないため、体重のかけ方がぎこちなく、転倒の恐れがあるということで、歩くときにちょっと誰かに見ていてもらわないと不安だったのですが、最近ようやく一人でも安心して出歩ける程度にまで回復してきました。
私は、海外ツアーは見ていませんが、2022年11月の初の東京ドーム公演、2023年の日産スタジアム公演、2024年の東京ドーム公演を妻と観ました。どれもすばらしい演奏と歌で楽しませてもらいました。2024年の東京ドームは前から4列目で観ましたので、迫力満点、椎名林檎さんのゲスト出演もあって、かなり盛り上がりましたが、それでも、なんと言っても完成度が高かったのが2022年東京ドームのライブだろうと評価しています。この公演はPrimeVideo(プライムビデオ)でも公開されていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
さて、そんな中、今回は席運が悪かったようで、3階の後の方でした。今まで結構いい席をゲットしていたので、それと比べると残念ではありましたが、最近は、アーティストたちのパフォーマンスが点みたいにしか見えない位置でも、あまり気にならなくなってきました。歌舞伎でもそうなのですが、後ろだからはずれたとか、前だから当たったって言うよりは、それぞれの位置での観劇の仕方があります。見得や睨み、足の運びまでを丁寧に観たかったら前列、役者間の位置や歌舞伎の様式美を味わいたいなら中列以降、登退場の仕方を楽しみたいなら花道の脇の席、宙乗りなら2階とか3階、幕ノ内弁当でもゆったり食べながら歌舞伎観劇という世界を楽しみたいなら桟敷席と、場所によって楽しみ方があるように、音楽ライブの見方、楽しみ方がようやく私にも分かってきたみたいです。
今回は東京ガーデンシアターだったので、どの席でも音が良く聴こえ、パフォーマンスもよく見える席であるという会場の特徴もあったのでしょうが、それでも、今までの席が顔の表情まで見えていたのと比べると、あそこにアーティストが立って演奏しているってことぐらいしか分かりません。なのに、音の緊張度から、彼らが今回はかなり肩の力を抜いてやっていることが伝わってきます。また、前は前なりに、一人一人の緊張感が分かりますが、後ろは後なりにバンド全体としての互いのパフォーマンスのキャッチボールみたいなものがよく伝わってきます。井口さんなんか、今回、珍しくちょっと音程を外していたところもありましたが、やけに楽しそうに歌っていましたねぇ。そういう雰囲気というものは会場全体に伝わってくるものなんですね。
そういう意味で、2023年の東京ドーム公演は、音楽の芸術性と技術を誇張したパフォーマンスと位置付けるなら、今回のファンクラブ限定ツアーは、ファンとのコミュニケーションを大切にしていることが、セットリストや演奏の端々から伺うことができました。KingGnuの皆さんは、いつもファンとともにあって、ライブではみんなと歌って、踊って楽しめることをモットーとしているとは言いますが、いやいや、やっぱり会場やコンセプトによって、感じるものは違いますよ。
さて、今回のKING GNU LIVEHOUSE TOUR 2025 CLUB GNU EDITIONのチケットが取れなかった方々にもライブを味わってもらうため、4月28日に、TBSの『CDTVライブ!ライブ!』のスペシャル企画『プラチナライブ』第一弾として、一夜限りの特別セットリストで放映するそうです。
妻が、「よかった~、私、行けなかったから、これ絶対見よ~と」と言っていましたが、最近はTVでこういうライブの放送も多くなってきたので、こんなこともあろうかと、昨年85インチのテレビに買い替えて、サウンドシステムもライブを聴くに堪えうるものに変えました。ようやくその効果が初めて我が家で発揮されそうです。ただ、TVだと、アーティストにカメラが寄り過ぎるし、そこにカメラマン視点が発生するので、アーティストの緊張感や会場全体の盛り上がりはどうしても演出されてしまいます。やっぱり、ライプ会場にいて、遠くの席からは遠くなりに、近くの席では近くなりに、自分の視聴点で感じるしか本物を味合うことはできない訳です。
以前は、「こんなに後ろの席だと面白くない。これなら家でテレビ見ていた方がましだろう」なんて言っていましたが、今はそうは思わなくなってきました。テレビ画面をいくら大きくしても、やっぱりテレビにはリアルを感じる限界があるということなんだろうと思います。
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