ローマ教皇は諦めない

 38年ぶりに、ローマ教皇が日本を訪問されました。フランシスコ教皇は、御年82歳だというのに、驚くべきことに11月23日に来日してから4日間、休む間もなく長崎、広島、東京と各地を精力的に回り、これまた驚くべきことに、その間に8回のスピーチをしたということです。

 新聞を読みながら、これはローマ教皇ではなくて、ローマ強行(スケジュール)ではないのかと、少し笑ってしまいました。(失礼しました)

 フランシスコ教皇は世界に約13億人の信者を抱えるキリスト教最大の教派『ローマ・カトリック教会』のトップで、彼のオフィシャル・ツイッターのフォロワー数は1800万を超えているということです。

 私はキリスト教信者ではないので、テレビニュースなどでその動向を追う程度なのですが、信者ではなくても、彼の言動には心に染み入るものがありました。

 特に、広島、長崎のスピーチで、「国際的な平和と安定は、相互に抱く破壊への不安や脅威を土台とした、どんな企てとも相いれないでしょう。現在から未来に続く人類家族が共有する相互尊重と奉仕への協力と連帯する世界的な倫理によってのみ実現可能です。」(新聞より抜粋)や、ニュースで多く取り上げられた「原子力の戦争目的の使用は、倫理に反します。核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています。」(新聞より抜粋)はとても印象的でした。

 国民の誰もが、また世界の誰もが戦争なんか望んではいないと思う(そうあって欲しい)が、自分の場所を主張するあまり、他を排斥し、利益と効率化の競争による頂点を目指し、支え合う精神は互いに見えなくなっているのが現状であり、国民の誰もが、現実の平和なんか、実現しないと思っている。祈りはあっても、その日が来ないと諦めの境地に立っているのが今なのではないでしょうか。

 しかし、どうでしょう。フランシスコ教皇は、平和に向けた理想を諦めずに、信じ、掲げることこそ平和への本当の道なのだと高らかに宣言しています。

 これほどの高貴で、世界に影響のある人が、少々は世界情勢を勘案しながら言葉を選んでいるのかもしれませんが、それでも、はっきりと、こうすれば平和は実現すると公言してくれることは、何にも増してありがたいことだと思います。

 この彼の姿を見て、自分なりに気づくことがありました。

 農村づくりにおいて、地域住民の中から、こんな言葉を聞くことがあります。「うちの集落はもうだめだ、限界集落だから。何をやっても集落が昔のように活気づくことはないよ」また、「いろいろと努力してみたけど、農村づくりはうまく行かなかった。もう諦めるしかないよ」

 私は、これまで、地域の皆さんに、「地域の理想を語りましょう、夢を語りましょう」と息巻いて、またそのための方法を伝授してきましたが、確かに、今までの農村づくりの活動の中で、どの地域でもまったく諦めずに取り組んだかと言われると、正直、心がめげてしまった地域での活動もあったように思います。

 『このように生きたい、この地域をこのように次世代へ繋げていきたい』という理想が無くて、なんの農村づくりなのかと思っているにも関わらず、その一方で一欠けらの諦めが、心の片隅に残っていて、理想を高らかに掲げることができなかった時もあったように思います。

 おそらく、それじゃダメなのです。農村はいつでも、住民が理想を掲げるところから始め、決してその理想の旗を降ろしてはいけないのです。

 ローマ教皇の平和への祈りと、それを実現するための心のあり方は、農村づくりを、住民とともに考え、進める私の活動に心強い言葉となりました。

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