ゼろはじ 「第16回 Word(ワード)は単純な操作だけを先に覚える」 

1.Word (ワード)とは

 「Word(ワード)」とは、マイクロソフト(Microsoft)社が提供している、世界中で最も普及しているパソコン向けワープロソフトです。パソコン購入時に、Microsoft Office(マイクロソフトオフィス)が搭載されているものを購入することをお勧めしましたが、これが搭載されていれば、タスクバーの左端の「メニュー」から「Word」のアイコンを探せば、必ずあるはずです。

 特徴としては、文書をページ単位で表示し、利用者が文字や罫線、表、図形、画像などを入力・配置して編集していくことができます。文字に色や大きさ、フォント(字体)、字間、行間などを設定したり、太字や下線、網掛けなどの効果を加えることもできます。また、左右端揃え、中央揃えなどの指定や、ページを複数の段に分割する段組み、縦書き、箇条書き、数式の記述、スペルチェックなど、文書作成を支援する豊富な機能を備えています。

 ただ、様々なことができるため、操作は簡単なことから結構複雑なことまで相当な種類があり、これを全部覚えるなんてことはかなり困難です。実際、私もおそらく30年近く使っていますが、まだ全部の機能を使ったことが無いと思います。

 よって、ゼロ初心者は、当面必要のないことは覚えないでください。起動して、様式を決めて、文字を打って、文章を簡単に編集して、写真や図を貼り込み、保存して、印刷する。そして、最初へ戻るという単純な基本操作の流れだけを、3回に渡って、習得しましょう。

2.起動と様式設定

 図16-1のように、タスクバーの左端の「メニュー」を開いて、アイコンの中から「Word」を探すか、タイルメニューに「Word」があれば、そのアイコンを左クリックしてください。

 起動すると、図16-2の「Word(ワード)」の初期画面が表示されます。左側の枠内に「ホーム」、「新規」、「開く」という項目が表示されており、「ホーム」が選択されていれば、右側の枠内に「新規」、「最近使ったアイテム」という項目があり、その中身が表示されています。

 ゼロ初心者は、文章を書きたい時は、迷わずに、「ホーム」のまま、右側の「新規」の「白紙の文書」か、左側で「新規」を選択して、「白紙の文書」の書式を選択してクリックしてください。これは、単純に一行○○文字の縦▽△行の文書ファイルです。これを選択すると図16-3のような白紙が表示されます。ここで一つ確認しておいてほしいのは、図16-3の右下の緑の枠が「印刷レイアウト」になっていることを確認してください。「閲覧モード」や「Webレイアウト」も選択できますが、文書を書くだけなら、印刷のイメージが掴める「印刷レイアウト」が適正です。  ウインドウの上から2行目は、編集機能が性格毎にまとめられた「タブ」が並んでいます。この「タブ」を選択することで機能を切り替えます。

 ディスプレイ画面全面を使って編集をしたい時は、ウインドウの右上の□をクリックしてください。画面が全面に広がります。また、ウインドウの大きさは右下のズーム機能で調整できます。文字を打つと、青い枠のところに表示されます。

 さて、図16-2に戻りますが、「白紙の文章」の横に、「報告書」、「サービス見積」、「請求書」・・・の書式が並んでいます。これらはテンプレートというもので、最初から設定されている文書の雛形です。世の中によくある事例が並んでいますので、先ずは「白紙の文書」のテンプレートで練習して、慣れてきたら、他のテンプレートも使ってみてください。

3.文字を打つ

 第8回、第9回のキーボードの使い方を習得できていれば、文字はある程度打てるようになっていると思いますので、文章の入力をしてみましょう。例えば、練習として図16-4のように、本稿の最初の一部を打ってみてはいかがですか。文字入力に当たっては、ウインドウも右下の通知領域にある文字入力の選択の切り替えに注意してください。

4.文章の編集

 文章の編集にはものすごくたくさんの機能があり、言ってしまえば、最終的には、あなたが書きたいどんな形式の文章だって書けると思ってください。只、一度に全部覚えることは絶対にできません。そこで、この講座では、特定の機能に限って説明することにします。機能は、3で説明しました「タブの機能」で選択します。

①文章を書いたら先ずは、全体の体裁として、文字が密になっていたり、改行の幅が狭すぎたりしているのが気になり、「文字間隔・行間隔」を変えたり、また、文字を「段組み」したり、小説風に「縦文字」にしたりと体裁その ものを変えたくなることがあるでしょう。それを受け持つのが「レイアウト」というタブです。
②次に、文字の種類、これを「フォント」と言いますが、それが例えば、全部、明朝体で単調になって読みにくいとか、例えば、イベントの案内の文章だから、もっと砕けた文字を使いたいなんてことや、「大きさ調整」をしたり、太文字やアンダーラインなどの「文字飾り」を入れたいなんてことがあると思います。また、表題を中央に揃えたり、住所は左端から書き出したり、担当者の名前は右端に寄せたりと、「文字位置の調整」をしたくもなります。これらは基本的な作業で、「ホーム」というタブに集約されています。 

 更に「インデント」の調整を習得すれば、一行ごとに左右端の調整ができるようになるので、もっと複雑な制御もできますが、最初の内は、インデントは使わずに、空白を使って左右端の調整をしましょう。もう少しWordが使えるようになったら、インデントの調整についても覚えることにしましょう。なお、1ページの文字数や行数は、「フォント」、「インデント」、「余白」の作り方によって思い通りにならない場合がありますが、全体の調整において、自分の指定の様式にしていきます。

③おおよその体裁は整ってきましたが、論文ではないのですから、文字だけだと読みづらいと思いませんか。そこで、ちょっとしたイラストや写真なんかを挿入して、文書全体にアクセントをつけて読みやすくしたくなります。そんな時に使うのが、「図の挿入」です。これらの機能は「挿入」というタブで作業できます。

 図16-5には、①~③までに当たる作業が位置付けられているタブだけを表示してみましたが、これだけだと赤枠にあるところだけです。さらに、「描画」、「デザイン」、「参考資料」、「差し込み文章」、「校閲」、「表示」などにも機能が詰まっており、文章の体裁は如何様にでもなるということが分かると思います。ゼロはじでの基本が習得出来てから、徐々に機能を増やしていきましょう。

4.1.「レイアウト」のページ設定

 先ずは文書全体の体裁を決めましょう。縦書きか横書きかで雰囲気はそうとう変わりますし、どんな大きさの印刷をするかによっても作り方は変わります。これに関係するのが、レイアウトタブの「ページ設定」の「文字列の方向」、「印刷の向き」、「印刷のサイズ」です。  何から始めても良く、試行錯誤すれば良いのですが、おおよその流れとしては、「A4サイズ、縦向きの紙に横書き」で書こうかなと思ったら、図16-6のように、その順に選択していくだけです。

 さらに、1行の文字数と1ページの行数も設定しましょう。文字を最大まで詰め込んだら、読みにくいですが、スカスカになっても、見応えがありません。いろいろと試してみて、程よいところを探してみてください。次の文字のフォントや大きさとも関係してきます。

 図16-7の左図にあるように、「ページ設定」の枠の右下の「斜め下☈」をクリックすると、真ん中の図のようなページ設定項目のウインドウが表示されるので、指示に従って、◉ボタンで文字数や行数を指定し、下の文字数と行数に具体的数値を入力します。最後にページ設定ウインドウの右下の「OK」をクリックします。また、文章の外側の幅を設定する場合は、右図のように「余白」を選択すれば、上下左右の幅をmm単位で調整できます。

4.2.「ホーム」のフォントと段落

 40文字×40行で、A4サイズ、縦向きの紙に横書きで「○○地区を考える会の開催」の案内チラシを作った例文が図16-8です。このように何も体裁を整えない連続打ちを「ベタ打ち」と言いますが、これだと読みにくくありませんか。これを見ればわかるように、表示されている部分だけは26行ですので、下に更に14行残っていて、A4の上半分にしか印刷されませんし、文字も10.5pと小さめで、余白も小さくて、上下左右一杯に文字が打たれていて、ごちゃごちゃしている感じです。また、表題の文字をもっと大きくしたり、日時、場所の3行はインデントを左から5文字取って、見やすくした方が良いようにも思います。そこで、図16-8の修正案に基づいて、「ホーム」タブを開いて体裁を整えていきましょう。

 まず、「フォント」と「段落」の基本機能を図16-9で説明しておきます。左図の「フォント」では、一行目でフォントのテーマを選択して、文字サイズを調整します。二行目に並んでいるのは「文字の飾り」で、「B」は太文字、「I」は斜文字、「U」はアンダーバーです。先ずはこれだけ覚えてください。「段落」では、二行目だけを覚えましょう。ここでは、行の両端を揃える作業が選択できます。それぞれ右図の通りです。

 それぞれ、図16-10のように編集していき、図16-11が完成します。文字色を変えたり、位置を調整したりして、もう少し美しく編集できますが、先ずはここまでできれば良いでしょう。今回は長くなりましたので、ここまでにしておきます。次回は写真やイラストの挿入から始めましょう。

※第十七番札所は六波羅蜜寺です。いよいよ三十三番の折り返しに入りました。ところで、六波羅蜜寺と言えば思い出すのが『空也上人立像』ですね。社会の教科書に載っていたあの写真が忘れられません。伝承で、空也が「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えると、口から六体の阿弥陀が表れたということで、口から針金みたいなのが出ていて、そこに阿弥陀様が並んでいる木造彫刻だ。口称念仏の祖であるので、この表現だったのかも知れないが、針金で繋ぐというところの造形の発想があまりにも斬新すぎる。運慶の四男、康勝の作と言われているようですが、伝承のままに再現したと言っても、この発想はこの時代に凄すぎる。来年3月に東京国立博物館で公開されるようなので、是非、拝鑑させていただきたい。

※これは十一面観音立像と一願石、後ろが本堂

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