ソサイエティ5.0という言葉を皆さんは知っていますか。

 本ページの読者は農村集落の方が多いと思いますので、この言葉はどちらかというと聞きなれないと思いますが、新聞にはよく出てきますし、将来の農業と農村にとって決して関係ないものではありませんので、私なりに、少し説明をさせていただきます。

 最初、用語解説に載せようかとも思いましたが、もう少し踏み込んでの説明が大切かと思い、「言わせてもらえば」の記事にさせて貰います。

 先ず、この用語が出て来るのはどこかと言いますと、「科学技術基本法」に基づいて国の科学技術政策を位置付ける「科学技術基本計画」の平成28年度からの5年間の計画である「第五期科学技術基本計画」の中です。この計画は、総合科学技術・イノベーション会議が、内閣総理大臣からの諮問を受け作成したもので、この中に、我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。

 なぜ、わざわざこんな難しい表現をしなければならないのでしょうか。こんな用語を使われると、英語に弱く、情報弱者の私なんかは、「分からなければ分からんで良い」と言われているように思えてしかたがない。安倍総理をはじめ、政治家の先生方も本当に分かって使っているのか疑問に思ってしまいます。

 さて、新聞にはよく出て来る言葉なので、通り一遍の説明はそちらに任せて、私なりの解説をしておきましょう。

 先ず、「ソサイエティ」というのは英語でSocietyと綴られますが、「社会」という意味です。よって、そのまま訳すと五番目の社会ということになります。社会というのは、御承知のように、過去から様々な文明の発展を遂げますが、最初の社会は狩猟社会であったが、そのうちに農耕社会が生まれ、産業革命より後は三番目となる工業社会となった。そして今は、コンピュータなるものが生まれ、四番目の情報社会となっている。そして、次に目指していく社会のことを、国は「ソサイエティ5.0」と読んでいます。

 さて、それでは、五番目の社会とはどんな社会なのでしょうか。それを内閣府のホームページで見ますと、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と書いてあります。

 いよいよ分からなくなってくる。そもそもサイバーとかフィジカルがよく理解できない。しかも、その難しい空間を融合させたら、何故に「人間中心の社会」に変わるのかがさっぱり分からない。人間中心ではなくなりそうなのだが、皆さん分かりますか。

 私なりに、この内容を簡単にしてみますと、サイバー空間というのは情報で作られたコンピュータの中の世界で、フィジカル空間とは人間が住んでいる現実の生身の世界と考えてください。そして先ずは、これまでの情報社会(Society 4.0)では、このコンピュータの世界と現実世界がうまく繋がっていなかったという問題意識から始まります。実際にそう感じている方も多いはずです。情報社会の発展により知識や情報は溢れてきましたが、共有はされておらず、情報が集まっても、部分的だったり、あちこちに分散していたりして、入力するのも人間、引っ張り出してくるのも人間、分析するのも人間なので、正確性にも欠け、より高度な利用ができない時代だった訳です。

 例えば、現在の車載のGPSナビゲーターは、地図の情報は入っていますが、その地図をセットするのも人間、それを見て運転するのも人間でしたので、情報が現実社会に使われるときに、制限がかかっていました。ようするに、行きたい地点を登録して、そこに行くまでのコースを選択して、案内に従って、人間が運転していました。どれだけ情報があっても、地図を読んで、ハンドルを回し、アクセルを踏み、ブレーキを掛けるのは人間であることに変わりない訳です。

 それに対して、ソサイエティ5.0で実現する社会は、IoT(用語解説をごらんください)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、人工知能(AI:用語解説をご覧ください)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになるので、車が人間に変わって自動走行するようになります。そうすると、少子高齢化や地方の過疎化が進んで、運転者が見つからなくても、あなたは、苦労することなく、どこにでも移動できるようになります。どこかへ行くために、地図に場所をセットしたりもしなくて良くて、「○○病院へ行って」とマイクに話しかけるだけで、かかりつけの○○病院まで行ってくれる。キーボードを打つのが不得意な老人だって、情報弱者にはならずに、誰でもが隔てなくサービスを利用できるスマートな社会が生まれ、様々な現代的課題が克服されるのではないかということなのです。

 そんなにうまくいくのかとも思いますが、理屈としては、サイバー空間にしっかりとデータが集まってくれて、車に付けたセンサー類が道路や人を認識してくれれば、より有効にフィジカル空間への利用ができることは間違いないでしょう。気象予報も、質の良いデータが多く集まれば、集まるほどよく当たるはずで、気象予測が適正にできれば、災害対応や農業の計画生産が可能となり、社会は大きく変わって来るでしょう。

 今、日本はそんな社会が来る将来を目指して、多くの分野で様々な革新を図ろうとしています。農業も、農作業ロボット、無人トラクター、自動水管理・・・と、このソサイエティ5.0の大きな柱となっています。

 問題は、人間中心と言っている世界感が、現代の社会構造と情報社会からみた人間中心であって、本来の人間の生き方がどうあるべきなのかの視点から始まる人間中心ではないと言うことです。

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