ゼロはじ 「第29回 PowerPoint(パワーポイント)は伝えたいことを自由に表現」

1.PowerPoint(パワーポイント)とは

 「PowerPoint(パワーポイント)」とは、マイクロソフト(Microsoft)社が提供している、世界中で最も普及しているパソコン向けプレゼンテーションソフトで、一般的に「パワポ」と呼ばれています。

 プレゼンテーションは、人に分かり易く説明をする業務でもない限り、一般の人は使うことはないかもしれませんが、農村づくりを進めている地域リーダーさんや様々な農村活動に勤しむ集落の区長さんなどは、地域住民への事業の説明や役所での予算取得についての説明などで使うと便利なことがあります。ワード(Word)で文章を読み上げるだけより、写真、動画やグラフ、漫画(アニメ)などを駆使してスライドを作成して説明すると、とても分かり易くなるので、意思疎通が効率的に進められます。また、地域の活動が評価され、脚光を浴びると、その活動内容を別の地区へ紹介をしてもらいたいと言う依頼を県や国から受けたりもすることもあるでしょう。そんな時に有力な武器となります。

 そんなものは要らないと言ってしまえばそこまでですし、よう分からんから、もし使うことになったら、市町の職員に頼むなんて方もいらっしゃるとは思いますが、なんでもちょっと触れておけば、なんかの時に役に立つかもしれません。基本的なことだけの紹介で、4回程度ですし、Excelよりもずっと簡単なので、是非習得していただきたいと思います。

 パソコン購入時に、Microsoft Office(マイクロソフトオフィス)が搭載されているものを購入することをお勧めしましたが、これが搭載されていれば、タスクバーの左端の「メニュー」から「PowerPoint」のアイコンを探せば、必ずあるはずです。

 特徴としては、作成したページをクリックするだけで次へ移動することができる「スライド機能」があること。また、図や文字が画面内で移動したり、上や横から現れたりするアニメーション機能というものがあって、これによって、自分が何を視聴者に分かって欲しいのかを伝えることができます。例えば、「我が集落は景観が美しい!」と強調したい文字を景観写真の中央からだんだんと拡大して表示すると、人はどうしてもそこに目を向けるので、記憶に残り易いのです。

 パワーポイントも奥深いソフトです。追及していくと覚えることはたくさんあります。でも、ゼロはじ初心者には、最も簡単な操作だけを覚えていただくことにします。私が20年近く、学会や講演会で使い、いろいろと複雑なプレゼンをしてきた経験から申しますと、あまり凝り過ぎるのは良くないということです。結局はシンプルイズベストです。そんなに難しく考えなくても、図形や画像を貼って、文字フォントとサイズとアニメーションで表示タイミング設定だけを工夫すればそれなりのものが作れます。ここでは、そのことだけを覚えていきましょう。

2.起動と様式設定

 図29-1のように、タスクバーの左端の「メニュー」を開いて、アイコンの中から「P」の欄の「PowerPoint」を探すか、タイルメニューに「PowerPoint」があれば、そのアイコンを左クリックしてください。

 起動すると、図29-2の「PowerPoint(パワーポイント)」の初期画面が表示されます。左側の枠内に「ホーム」、「新規」、「開く」という項目が表示されており、「ホーム」が選択されていれば、右側の枠内に「新規」、「最近使ったアイテム」という項目があり、その中身が表示されています。

3.テンプレート

 これまでWordでもExcelでも、テンプレートと呼ばれるひな形があり、起動時に選択できるようになっていました。そして本講座では、基本的に、Wordでは「白紙の文書」、Excelでは「空白のブック」から始めることを推奨してきました。PowerPointでも同様に、「新規」の「新しいプレゼンテーション」を選択すれば、図29-3のような白紙の画面が表示されます。講座ではこの白紙のテンプレートを使って説明しますが、ここで重要なことを言っておきます。

 PowerPointでは、他のアプリとは違って、是非、テンプレートも参照していただき、これから作るスライドの雰囲気に合わせたものを選択することも考えてほしいということです。PowerPointは人に分かり易く説明するためのスライドを作るのですから、雰囲気はとても大切です。作成した後で変更することもできますが、雰囲気から入るのも大切です。

 取りあえずどんなものがあるのかを簡単に説明しておきます。図29-2の新規の項目の右下に「その他のテーマ→」がありますので、これをクリックすると、図29-4の左上図ように様々なテンプレートが表示されます。この中で、「みどりの生い茂るピッチデッキ」というのを選択すると、左下図が表示されますので、とりあえず、「作成」ボタンを押します。すると、右上図にあるPowerPointの数ページのスライドが表示されます。数枚見てみます。2ページ目には、「会社概要」と下に写真、3ページ目は、「問題」と左に書いてあって、右側にその問題となる項目が整理されているようです。これが「みどりの生い茂るピッチデッキ」のテンプレートのデザインということで、コンテンツを入れる位置が予め作り込まれています。

 デザインが不得意な方は、これらを参照しながら、作っていけば良いのです。作り方は講座の中で順次説明していきますが、私が「みどりの生い茂るピッチデッキ」を見本に研究会の概要を作ってみたものが図29-4となります。内容はいい加減かもしれませんが、様にはなっているでしょう。

4.ウインドウの名称と機能

 ここで、図29-6を使って、PowerPointのウインドウの各部の名称と機能を説明しておきます。ウインドウの上から二行目に、「ファイル」、「ホーム」、「挿入」、「描画」、「デザイン」と順に並んでいるのが機能メニュータブです。そして、タブ毎に、その下に機能に関するリボンが表示されます。図29-6で表示されているリボンは「ホーム」の機能メニューとなります。また、その下にスライドの情報が表示されていますが、左側の小さいスライドが表示されるところは「アウトラインペイン」と呼ばれ、サムネイルのスライドが縦に並び、これが表示順となります。そして、その右の大きな枠がスライドで、文字を入力したり、様々な機能を付けたりする領域です。左のアウトラインペインでスライドを選択して、右のスライド領域に表示し、作業を行い、終了すれば、また別のスライドを選択して、作業をします。

 機能はたくさんありますので、全部覚えられないと思いますので、ゼロはじ初心者は、図29-7の赤枠のところだけをこれから学習していきましょう。

 「挿入」では画像、図形、文字の入力方法、「デザイン」ではテーマの選択方法、「画面切り替え」では画面切り替えパターン、「アニメーション」ではアニメーションの設定方法、「スライドショー」ではどこからスライドを始めるかの設定方法を学びます。

 さて、次回は「挿入」から順次説明していきますが、今回はここまでとします。

※第三十番札所は竹生島宝厳寺、琵琶湖に浮かぶロマンあふれる竹生島に建つお寺です。聖武天皇が、天照皇大神よりお告げを受けて、僧行基を勅使にして、堂塔を開基させたのが始まり。弁才天がご本尊として本堂に安置され、弁財天の聖地として全国より参拝される方が多い。伝教大師、弘法大師も来島、修業されたと伝えられています。日本三弁財天は、ここと、広島の大願寺、厳島神社、明治の神仏分離で寺から神社に変わった江の島の江島神社の3ヶ所で、どれも海に接していて有名です。宝厳寺も、「廃仏毀釈」で廃寺して神社に改めよという命令が下ったようですが、全国のいる多くの信者の要望で廃寺は免れたそうです。島全体がお寺で、歴史の重みを感じます。写真は船着き場から伽藍全体を撮ったつもりだが、よく分からないな。こんな時はドローンが良いな。

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