ゼロはじ 「第14回 倉庫の構造が分かれば荷物整理は簡単」 

 これから先、本講座では基本的な作業として、文章を書くアプリ「word(ワード)」、表を整理するアプリ「Excel(エクセル)」、人に分かり易く説明する(プレゼンテーション)資料を作成するアプリ「powerpoint(パワーポイント:パワポと略される)」等のマイクロソフトオフィス(MicrosoftOffice)の基本アプリケーション(略してアプリ)について順次説明していくのですが、その前に、パソコン内のデータファイルが保存されている状態とファイルの保管場所であるフォルダーの構造と、ファイルの移動やコピー等について説明をしておきます。今後のアプリの説明時にも、アプリ毎に詳しく説明はしますが、ここでは、2回に渡ってファイル管理の基本とちょっとした応用を学ぶことにします。

 今回説明するのは、ファイルやフォルダーとは何かということ、ファイル管理のツールであるエクスプローラーの起動方法と各部名称、パソコン内にあるデータが、どこにどんな状態で格納されているのかです。

 ゼロ初心者は、編集した文章や写真画像のデータファイルを保存したつもりが、後で見ると無くなっていたなんて失敗をよくします。「あれ、せっかく保存したのにどこに行ったのだろう」と言うので、私が、「保存先のフォルダー名は何でしたか」と尋ねても、「いや、なんかパソコンの方で、『保存しろ』と言われたので、保存をクリックしたけど」となる。こういう場合の多くは無くなったり、保存し忘れたのではなく、整理整頓が分かっていないので、どこに保存したか分からなくなっているケースが多いです。また、同じファイル名で別のフォルダーに収納したつもりが、同じフォルダーに保存してしまいファイルを上書きしてしまい、その日一日の作業がパーなんていう失敗もよく見受けます。これらはすべてファイル管理が十分でなかった失敗に当たります。

 ゼロ初心者の方は、このファイル管理の階層構造を十分に理解していないことが多く、様々なアプリケーションで失敗をやってしまいます。思い出しますに、私も初心者時代、この手の失敗をよくやりました。本当にがっくり来ますよね。ファイル管理が失敗なく、自由にできることこそが、『パソコンを使いこなせる』と言っても過言ではありません。分かってしまえば簡単ですので、是非、今回しっかりと勉強しましょう。

1.ファイルとフォルダー

 パソコンの外部メモリーの中には、何百何千という数のアプリケーションに関するファイル(プログラムファイル)やアプリケーションを使って作ったデータファイルが存在します。

 以前にも説明しましたが、アプリケーションとは、特定の作業を行うために使用されるソフトウェアのことを言います。文章を書くアプリケーション「word(ワード)」というものもあれば、表計算をするアプリケーション「Excel(エクセル)」もあります。世の中には数多くのアプリケーションが販売されており、特定の作業用のシステムとして、「○○動画編集システム」とか「▽△雇用管理システム」なんてものもあります。「システム」なんて仰々しい名前がついていますが、実はあれもアプリケーションです。当研究会も、多面的機能支払いの事務軽減ソフトとして「楽ちん多面」というものを販売していますが、これもアプリケーションです。そしてアプリケーションで作成したデータを保存しておくのに、特定の形式でファイルが作成されたり、それらのファイルの塊を管理するためにフォルダーが設けられたりします。

 ファイルとはパソコンで扱うデータの基本単位のことで、パソコンを使う時は、ファイル単位で、読み込み、書き込み、コピー、移動、削除などの操作を行うことになります。また、ファイルには拡張子と言われるファイルの種類を区別する符号がついています。ファイル名の後にピリオド(.)、その後に3文字程度の英数文字列の構成になっています。拡張子に対応したアプリケーションでなければ、一般的には、ファイルを開くことができません。

 Excel(エクセル)の拡張子は「xlsx」、word(ワード)の拡張子は「docx」と決まっているものもありますが、画像ファイルでは、「jpg」という形式もあれば「png」という形式もあり、動画ファイルも「mp4」形式、「avi」形式等かなりたくさんの種類があるものもあります。アプリケーションによっては、どの拡張子にも対応しているものもあれば、一種類しか対応しないものもあったりします。

 さて、これらのファイルが多くなってくると、アプリケーションの運用上または個人の操作上、外部メモリーに記録された複数のファイルを、分類整理して、あるまとまりをもたせて収納した方がより分かり易くなることは当然です、そこで設けられるのがフォルダーという単位です。簡単に言えばフォルダーが「倉庫」で、ファイルが「荷物」みたいなものです。

 倉庫の種類は様々あって構いません。ある特定のアプリに関係するファイルばかりを整理してあるフォルダーがあっても良いし、同じ拡張子を持つファイルを整理したフォルダーがあっても良い。また、自分で作るだけではなく、アプリケーションを操作すると、アプリケーションの特性に応じてフォルダーを勝手に作られることもあります。操作において、どんなフォルダーができて来るかにも注意しておきましょう。

 例えば、旅行写真の画像データファイルの整理をしようと考えた場合、最も大きなフォルダーは「旅行写真」という名前で、その中に全部の写真を入れておいても良いのですが、写真が多くなってくると、その下の階層に「北海度」「東北」・・・「九州」のような地域別のフォルダーを設け、さらに、「北海道」の下層に「2000」、「2001」・・・と年次ごとのフォルダーがあって、それぞれに該当する写真データが整理されていると、調べるのに便利です。もちろん、「旅行写真」という名前の下層が「2000」「2001」・・・と年次ごとのフォルダーで、各年次のより下層に「北海度」、「東北」・・・「九州」となった地域訳のフォルダーがあっても良い訳です。作る時に、どちらの方が見つけやすいかを自分で選択します。例えば、地区別で調べることの方が多ければ、地区別を年次別よりも上層に置けば良いのです。 この例を使って、フォルダーの階層構造について説明します。フォルダーは図14-1のようなツリー構造になった階層によって整理されまるのが基本です。階層が分かりにくければ、図14-2のように、倉庫群で考えてみましょう。倉庫の中にそれよりも小さな倉庫があって、またその小さな倉庫の中にはさらにそれよりも小さな倉庫があるような構造になっています。上層の倉庫より大きな倉庫が下層にあることはありませんが、それぞれの倉庫の大きさは異なります。

※写真の整理については、今回のようにフォルダーを自ら作る方法もありますが、「フォト」というウインドウズ10付属の写真整理アプリを使う手もあります。本講座ではフォトアプリの説明をする予定はありませんので、知りたい方は、別途インターネットで調べてみてください。

2.エクスプローラーの起動

 ファイルやフォルダーの管理については、ファイル管理用のアプリケーションも売られていますが、一般的には、Windows10に付属している「エクスプローラー」と言われるシステムツールのアプリケーションを使います。「エクスプローラー」というとインターネットのところで、ブラウザと紹介しましたが、ここで言う「エクスプローラー」はブラウザとしてのインターネットエクスプローラー(IE)ではなく、Windows10のシステムツールとしてのエクスプローラーです。 エクスプローラーは、図14-3のように、メニューの「w」の「Windowsシステムツール」の中から起動します。また、よく使う場合は、タスクバーにピン留めしておくこともできます。このアイコンをよく覚えておきましょう。

3.エクスプローラーの使い方

 次に、図14-4で、エクスプローラーの各部の名称と役割について説明します。一番上の行はエクスプローラーの各機能がまとめられているところで、「タブ」といいます。ここで機能を選択すると、すぐ下の「操作ボタン」の行の表示が変わります。通常は隠れていますが、タブの右端の「˄」「˅」の選択によって表示/非表示されます。「操作ボタン」には「ホーム」「共有」「表示」がありますが、それについては次回必要な部分だけを説明します。また、この操作ボタンを使わずに、マウスの操作だけでファイルやフォルダーのコピーや移動はできるので、その方法も合わせて次回説明します。

 今回覚えるべき大切なのところは、操作ボタンの枠の下、左枠のウインドウと右枠のウインドウです。左枠のウインドウは「ナビゲーションウインドウ」と呼ばれており、パソコン内の保存できる場所やフォルダーの名前の一覧が表示されています。ここで名前をクリックすると、メインウインドウと呼ばれる右枠の中身が変わり、フォルダー内にあるファイルやサブフォルダーが表示されます。

 一般的なナビゲーションウインドウのフォルダー階層は図14-5のように、「クイックアクセス」、「クラウド関連フォルダー」「PC」「外付けハードディスクやUSBなど」の順に並び、ここでは、外付けハードディスク内に「旅行写真」というフォルダーを作り、その下に、地域別、年次別フォルダーを作った場合を示します。

 次に、写真フォルダーの中の階層をもう少し細かく見てみましょう。図14-6のように、ナビゲーションウインドウの旅行写真というフォルダーの「<」をクリックして開くと、「˅」になって、地区フォルダーが開き、さらに、北海道というフォルダーの「<」をクリックして開くと、「˅」になって、年次フォルダーが開いていくことが分かります。

 最後に一つ、ゼロ初心者の方向けに大切なことを言っておきます。これまでやってきたようにして、図14-7のようにPC内のメモリーの場所を表すOS:(C)の中のフォルダーについても開けることができます。そして、この中にも自分でフォルダーを作成したり、ファイルを保存したりすることができますが、Windows10の初期設定時やアプリのインストールによって、勝手に作成されているフォルダーもあります。ここから初心者用の原則です。できる限り自分が作成した覚えのないフォルダーの中身は見ないようにしましょう。覗くだけなら問題ないのですが、いつの間にか中にあったファイルを削除したなんてことになると、正常に動かなくなる場合もあります。

 今回はここまでです。次回はフォルダーの作り方やファイルの移動、コピーなどを学んで行きます。

※今回は第十五番札所、京都の今熊野観音寺です。京都にあるのにどうして紀州熊野の名が冠されているのか不思議でしたが、どうもそれは後白河上皇が関係しているそうです。古くから紀州熊野の地は、南方にあるという観音の補陀落浄土としての信仰の中心であり、後白河上皇も熊野御幸を二十七度もされたということです。しかし、熊野の地は都より遠く隔たっていて、当時世情も不安定で、なかなか御幸できなかったそうです。そのためにも、古くから熊野権現出現の伝説地でもある今熊野の地を紀州熊野の観音霊場になぞらえて、社殿を山麓に造営し、ここを参られたということです。

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