ゼロはじ 「第19回 Excel(エクセル)は『何を作りたいか』が重要」

1.Excel(エクセル)の起動と特徴

 「Excel(エクセル)」とは、マイクロソフト(Microsoft)社が提供している、世界中で最も普及しているパソコン向け表計算ソフトです。パソコン購入時に、Microsoft Officeが搭載されているものを購入することをお勧めしましたが、これが搭載されていれば、図19-1のように、タスクバーの左端の「メニュー」から「Excel」のアイコンを探せば必ずあるはずです。これをクリックすれば起動できます。

 特徴としては、図19-2にあるように、横に行、縦に列が配置され、その交差した位置に「セル」と呼ばれるデータ入力ボックスが配置されています。そこに、文字や数等を入力することで、セル単位でデータを保持してくれます。また、「セル」に数式(関数)を入れることで、データを計算したり、特定の文字が含まれたデータだけを取り出してくれたり、数値、文字順に並べ替えてくれたりもします。また、データが並んでいるだけでは分かりにくいので、グラフを作ったりもできます。様々な操作は図19-2のように、ウインドウの上から2行目の機能タブで選択できます。タブを選択すれば機能は変わり、その下の行にメニューが表示されます。

※これまで「タブの機能」と表現してきましたが、そろそろ本当の名前を言いますと、このように作業に必要なコマンド(命令)がボタンのように表示される横長の領域は「リボン」と呼ばれています。Word(ワード)やPowerPoint(パワーポイント)でも同じです。只、リボンという言葉から機能集であるとは想像しにくいのでこれまで「リボン」は使ってきませんでした。これからも覚えなくても良いです。機能を選択するやつとかタブの機能で十分です。

 さらに、その下には、左端にセルの名称が表示され、その右側に関数と数式バーがあります。そしてその下が数値や式を入力するセルが配置されています。列と行数の最大値はExcelのバージョンによって異なりますが、100万行、1万6千列程度データは入れられますので、気にしないで使いましょう。

 Excel(エクセル)も、Word(ワード)と同様に、多様な機能を備えていますので、これを全部一気に覚えるなんてことはできません。また、学者じゃないのですから、そんな複雑な計算をすること自体、我々にはそんなにありません。更に言うと、Excel(エクセル)を使うほどの多くのデータを計算しなければならないことも生活上それほどありません。

 せいぜい家計簿とか、お店をやっている人なら売上金の整理があります。一年間で定食は何食売れたのか、飲み物はどれほど売れたのか、そのうち、ソフトドリンクは幾らで、酒類は幾ら売れたのかを知ったり、どの時期に何が多くオーダーされているかが分かると、来年はこの時期に何を多く仕入れておいた方が良いものが分かり、経営しやすくなるでしょう。 

 農業で言うなら、資材や肥料代、機械や備品の購入や修繕費、改良区への賦課金、人を雇っているなら人件費を整理するということになり、毎日の収支を表で整理するということもあると思いますが、これも普通はノートにつけておけば問題はなく、Excelを使う程のことはありません。でも、これらのデータを10年間ためて比べるとなると、紙ベースでは結構大変です。そこでやっぱりExcel(エクセル)は便利だなぁということになるのです。

 私は最近、糖尿病と診断されて、食事のデータをすべてExcelで整理しています。いや積極的にやっているのではなく、医者に整理させられています。一列目に日付、二列目に食事の内容を記録します。例えば、朝食はトーストから始まり、昼食はあんかけ焼きそば、夕食は煮物にサラダとセルに入力します。さらに三列目のセルにその素材を分解して、四列目にその素材の量のデータを整理しているので、例えば、今月のキュウリの私の摂取量を見てみると、11.25本であることが一発で分かりました。素材が記録されている三列目のキュウリだけを抽出して量を計算したら一発で出てきました。まあ、でもこれも特殊なデータ整理の方でしょう。こんなことをしている人はそれほどいないと思います。

 ですから、Word(ワード)の時と同様、ゼロ初心者は当面必要のないことは覚えないようにしましょう。先ずは単純な表の作り方を覚えましょう。そこで、この講座では、Excel(エクセル)を起動して、どんなデータをどう整理したいかを決めて、整理の目的にあうデータ表を作って、とりあえず、並び替えと合計計算、平均計算程度の数式を覚え、グラフにして、印刷までを10回に渡って習得しましょう。

 ある程度Excel(エクセル)を知っている人は、関数の使い方とか、処理の自動化をするためのVBA(Visual Basic for Applicationsの略:MicrosoftがMS Officeの拡張機能として提供しているプログラミング言語)などを教えて欲しいと言われるかも知れませんが、申し訳ありません。「ゼロはじ」では基礎の基礎だけにします。また事例としては、せっかくですから、できるだけ多面事務を題材にしてみましょう。

2.何をしたいかが分からないと覚えられない

 Word(ワード)のように、とにかく文字を書いて体裁を整えるということなら、操作の基本を覚えるところから始めますが、Excel(エクセル)場合は、どんな表を作りたいのかのイメージがなければ、がむしゃらにデータをいれてから体裁を整えようとしてもうまくいきません。ようするに、最初から表のイメージがなくてはいけません。また、Excel(エクセル)では表を元にグラフなども作れるようになりますが、最初の段階で、どんなグラフを作りたいかが明確でないと、適当に作った表からは、思ったようなグラフにはなかなかなりません。

 ですから、先ずは何を作りたいのかを考えることが大切です。これには算数や数学の技能も必要となることもありますが、ゼロ初心者が作成するExcelの表は科学論文を書くためのものは無いでしょうから、小学校程度の算数の力で十分です。

 「何、算数も不得意だった」ですか。大丈夫です。とりあえず四則演算さえできれば問題ありません。

 何をしたいかを考える時に重要なのは、どんなデータを自分が持っているのかです。それによって表の作り方は変わります。一般的には次の3つの表形態があると思ってください。

 なお、なるべく数学的な表現を避けて説明しますが、やむを得ないところもあります。

 ① 時系列(時間順)に並んだ1つの項目に関連したデータがある場合

 ② 1つの項目に独立した複数のデータがある場合

 ③ 2つの項目に同時に関連した1つのデータがある場合

 もちろん、これ以外にも、時間割を作るみたいな、縦の列が時限で、横の行が曜日に科目が割り当てられているような、数学的な分析をする意味がほとんど無く、状況だけを示すような表もあります。以下、順に説明と代表的な表の例を示します。

①は、時間、日、月、年等の時間順に並んだデータのことで、例えば、区会の収支決算をする場合に、日単位での収支データを並べたいとか、2010年から2021年までの12年間の毎年の収入と支出を整理したいとかの場合の表です。図19-3は分かり易いように細かい要素を取っ払って収入と収支と繰越金だけを整理してみました。

②これは時間とは関係していないもので、一つの項目に独立した複数の特徴を表すデータが関わっている場合です。項目としての名前「山本徳司」の属性としての年齢は64歳、身長164cm、体重78Kg、昭和※年※月生まれ、住所はつくば市となります。年齢と身長は別々のものですので、こういうのを独立したデータと言います。年齢と生年月日は独立していませんが、コンピュータは関係性を知ってはいませんので、これは独立と言えます。

③これは、2つの項目に関わった一つのデータがある場合です。一番簡単な例としては、時系列が縦と横に分解される場合です。図19-5のように、縦の列には年が並んでいて、横の行には月が並んでいて、その2つの項目に囲まれたセルに、例えば、売り上げというデータが入る場合です。縦に、年と月の時系列をおいて、売り上げを入力すれば、図19-6のように長い縦二列のデータとなりますが、これでは、月ごとのデータは読み取りにくいので、最初から縦横に分けておけば、表を見ただけでおおよその傾向は見えますし、後で計算やグラフを作るのも簡単です。

 基本は、①と②が理解できれば問題ありません。生活上はほとんどの場合①か②で処理できます。

 以上、Excel(エクセル)の第一回目として、Excelの起動と特徴、代表的な表の形を学習しました。さて、それでは次回から本格的に表を作っていきます。

※第二十番札所は西山善峯寺です。「桂昌院しだれ桜」は樹齢300年、国の天然記念物「遊龍の松」は樹齢600年以前ということです。600年というと、西暦1420年。凄いですね。応仁の乱も戊辰戦争も見て来たのですよね。屋久杉のように自然の中でひっそりと歳を重ねていたものとは違い、こちらは、造園されたものですから、数えきれないほど多くの参拝客が接触する中で、人の手によって丁寧に繕われながら、この年月を経てきています。緑と人の緩やかな関係の大切さが伝わってきます。

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